生活困窮者自立支援共同住宅として関西光澍館の2、3階部分を活用 宗教者と事業関連団体が協働

生活困窮者を支える共同住宅としての活用が決まった関西光澍館で12月1日、御本尊安置式が営まれた

昨年閉鎖された立正佼成会の関西光澍館(大阪・豊中市)全階の活用が決まり、2、3階部分が来年2月1日から、生活困窮者や社会的に孤立状態にある人を支援する共同住宅として、1階は豊中教会の施設として利用されることになった。これを受け、12月1日、同館で「御本尊安置式」が営まれた。

生活困窮者の自立を支援するこの事業は、住まいの提供(有料)を通じて入所者の生活再建と社会参加に向けた包括的なサポートを行うもの。自立支援団体と宗教者の協働によって進められる。

3階建ての関西光澍館

入居者の見守りをはじめ施設の運営・管理は一般社団法人「大阪希望館」が行う。事業の大枠の決定や財務の監督、助言・協力に加え、入所者と地域社会をつなぐ役割は、「関西光澍館運営協議会」が担う。同協議会には、宗教者や研究者で構成される「支縁のまちネットワーク」、金光教羽曳野教会、本会の大阪教会、豊中教会などが参画している。

御本尊安置式には、事業に関係する団体から30人が参集。馬塲久枝豊中教会長を導師に、読経供養が行われた。来賓挨拶には、大阪希望館の岡本友晴代表理事、支縁のまちネットワークの宮本要太郎共同代表(関西大学教授)が登壇。宮本氏は、「宗教施設が、さまざまな苦しみを抱えて生きておられる方々と縁を結ぶ場として活用できるという意味で非常に貴重な試みが始まろうとしています」と述べ、「無縁社会」といわれる現代にあって、孤立し、一人で悩みを抱えている人に慈悲の心で寄り添うことが同館の使命になると強調した。

式典には、同館の施設長に就任する沖野充彦・大阪希望館事務局長も参列。沖野氏は、「住まいが安定すれば行政の支援制度を利用したり、仕事を探したり、人とのつながりをつくることも可能になります。物質的な支援だけでなく、心を支えることが重要になっていますから、宗教者の方々と協力し、入所者が生きる希望を持てる支援をしていきたい」と話した。