WCRP/RfP日本委 紛争解決に向け、対話の重要性学ぶ

『平和構築にむけた和解トレーニング』をテーマに、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会「和解の教育タスクフォース」による学習会が2月13日、普門館国際会議室(東京・杉並区)で行われた。宗教者やNGOの職員ら約60人が出席した。

当日は、同タスクフォース責任者の山本俊正・関西学院大学教授のあいさつに続き、「ミンダナオ・ピースビルディング・インスティトゥート(MPI)」のマリア・アイダ・デン・ギギエント氏が講演した。

MPIは、紛争が続くフィリピン・ミンダナオ島を拠点に、平和構築のトレーニングを実施する団体。民間人のほか、NGOや軍関係者など立場を超えて集まった人々に対し、「平和」「宗教」「対話」「紛争処理」などについて理解を深めるプログラムを提供する。受講生が実際に和解を進めているコミュニティーを訪ねるフィールドワークも行っている。

講演でギギエント氏は、平和活動に取り組むNGOの職員が軍関係者と共にプログラムを受講し、互いの理解を深めた実例を紹介。相手を「相いれない者」と捉えていたために対立していた両者が、対話によって思いを伝え合い、互いの心情を知ることで和解に至ったと強調した。その上で、成育過程や生活環境の中で身についた偏見や先入観が対立の原因になっている場合が多いと語り、だからこそ相手を知る対話が重要になると指摘した。

講演の後、参加者は、MPIが行うプログラムの一部を体験。対話を通じて互いの共通点と相違点を見つけるワークでは、参加者の一人から「相手との共通点が少なく、悲しい思いをした」との意見が出た。

これに対し、ギギエント氏は「相手に自分との違いを見つけることは、互いを理解するために必要なことです。なぜなら、違いを認識すると、今度は共通点を見つけようと努力するからです。つまり、対話とは“発見の旅”にほかなりません」と応えた。