新英訳『法華三部経』発刊 44年ぶり改訂 より読誦に適した文体に

初期から編集に携わる吉田晃一郎国際伝道部翻訳・出版担当は、「読誦することで心が静まり、生きる希望が生まれる。現代人が心の救いを得られるような訳文を目指し、多くの人々が英知を結集して翻訳と校閲を重ねました」と語る。直訳ではなく原典の意図を汲(く)んだ平易な表現を模索し、さまざまな情景描写などの場面では、文学的要素も考慮して訳文を推敲(すいこう)した。また、男女の性差や身体的な特徴に関する表記など、差別的とみなされる表現には、誤解を避けるための配慮がなされた。

本書の「まえがき」は、庭野会長が寄稿。この中で庭野会長は、新英訳が、「仏教への理解を深めていく有用な手段となるだけでなく、英語圏をはじめ世界の各国の人々が、仏道を歩んでいく機縁になっていくことを願ってやみません」と言葉を寄せている。

現代性や読経のし易さを重視した新英訳『法華三部経』は今後、海外の布教拠点などで使用される

続く「序文」では、新英訳発刊の経緯と目的、法華経読誦の意義が記されている。また、訳者による「イントロダクション」「訳者ノート」でそれぞれ法華経の真意、訳出方針や訳語の背景を解説。巻末には、言葉のニュアンスを重視して訳出した語句の注釈、用語の索引を収録している。

同書は、一般社会での普及を視野に、電子書籍としても刊行した。

発刊に伴い、同書をもとに英語経典を改訂。今後、『法華三部経』と共に海外の布教拠点では順次、新英訳版に切り替えられ、読誦修行や研修などで使用される。このほか、新英訳は北米を中心に布教伝道や活動を展開する他の仏教団体による活用も期待されている。

国際伝道部は現在、『法華経の新しい解釈』(庭野日敬著)の英語版の改訂も進めている。また、今回の新英訳版発刊に合わせ、ツイッター、フェイスブックのアカウントを開設。本会の式典や刊行物を英語で発信していく。

新英訳『法華三部経』は526ページ・本体価格25米ドル。問い合わせは本部国際伝道部まで。
TEL 03(5341)1124

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