比叡山宗教サミット32周年「世界平和祈りの集い」 佐藤西日本教区長が出席

比叡山宗教サミット32周年「世界平和祈りの集い」が8月4日午後、天台宗総本山・比叡山延暦寺(滋賀・大津市)の一隅を照らす会館前「祈りの広場」で開催された。主催は天台宗国際平和宗教協力協会と延暦寺。集いには国内外の諸宗教者や市民ら約900人が参集した。立正佼成会から佐藤益弘西日本教区長(京都教会長)、和田惠久巳総務部副部長(国際宗教協力専任部長)が出席した。

1986年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼び掛けにより、世界の宗教指導者がイタリア・アッシジに集い、「アッシジ平和祈願の日」が開催された。翌年、「宗教の原点である祈りを通して世界平和への誓いを新たにする」という「アッシジの精神」を引き継ごうと、山田惠諦第二百五十三世天台座主の提唱により、第1回「比叡山宗教サミット」が行われた。以来毎年、国内外の諸宗教者が比叡山に集まり、「世界平和祈りの集い」が催されてきた。

集いでは冒頭、青少年280人が、世界平和や、東日本大震災をはじめとする災害からの早期復興などの祈りを込めた折り鶴を、地球に見立てたステージ上の球体に奉納した。続いて、第1回「比叡山宗教サミット」で発表された「比叡山メッセージ」が読み上げられた後、森川宏映第二百五十七世天台座主が「お言葉」に立った。

森川座主

森川座主は、第1回「サミット」以来、宗教者が相互理解を深め、共に平和を祈る一方、世界で今も武力による争いが続くことへの憂慮を示し、宗教者は「争いによる犠牲者の苦しみと悲しみに心を寄せるとともに、暴力と憎悪の連鎖を断ち切り、互いが和する協調の精神で慈悲の心を育てねばなりません」と説示。「世界の恒久平和実現のため、私ども宗教者は平和への取り組みに一層努力し、その使命を全うすることを心からお誓い申し上げます」と述べた。

この後、11の宗教宗派の代表がステージに登壇。「平和の鐘」に合わせ、参集者と共に祈りを捧げた。

バチカン諸宗教対話評議会議長のミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット司教、世界仏教徒連盟(WFB)のパン・ワナメティー会長による「平和メッセージ」が代読された後、二人の青少年が『平和への思い』と題し、作文を朗読。最後に、参集者全員で「平和の合い言葉」を唱和した。