「『メッカ巡礼中に政治活動するな』とサウジアラビア政府」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

イランに対する軍事オプションを非難する米国のキリスト教指導者

ペルシャ湾とホルムズ海峡で米国とイランの緊張が高まっている状況を受け、米国のキリスト教諸教会の指導者約200人が7月9日、『崖っぷちから戻れ――イランと戦争ではなく外交交渉を訴える信仰の指導者たち』と題する共同声明文を公表した。世界教会協議会(WCC)がプレスリリースを出し、米国のカトリック系メディアが翌10日に報じた。

声明文では、「信仰共同体の指導者が、紛争を回避するための効果的な道を示す時であり、安易に緊張を高め、膨大な人的、経済的代償を支払う軍事活動に強く反対する時だ」と強調した。

また、イランに対しては、「テロを起こすことなく、2015年の「イラン核合意」の制限を超えるウランの濃縮活動をやめるように」とアピール。米国政府には、「イラン国民に対する処罰的な厳しい経済制裁を停止するように」と要請している。

「イランとの戦争は何の解決策にもならず、道徳的、宗教的にも正当化されない」と指摘。「宗教指導者、神学者、聖職者、信徒たちはイランとの戦争に反対の声を上げていくように」と呼び掛けている。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)