解脱会・岡野長老の聖葬祭 庭野会長が参列
新日本宗教団体連合会(新宗連)の第六代理事長を務め、4月3日に逝去した解脱会の岡野聖法長老の聖葬祭(教団葬)が5月19日、埼玉・北本市の解脱会御霊地で行われた。立正佼成会から庭野日鑛会長、川端健之理事長が参列した。
昭和14年4月25日生まれの岡野師は14歳の時、教主(現・法主)に就任。早稲田大学を卒業し、昭和40年から42年4月まで米国修行を行った。平成29年1月、岡野英祥法嗣が法主を継承し、自らは長老に就任した。法主として会員を教導した期間は60年以上に及ぶ。
岡野師は諸宗教間対話・協力の推進にも尽力。新宗連常任理事、副理事長を経て、平成20年、庭野日鑛理事長の後を受け、第六代理事長に選出された。任期中、新宗連結成60周年記念集会の開催や、財団法人から公益財団法人への移行を主導した。21年度に日本宗教連盟(日宗連)理事長を務めた。
聖葬祭では、黙祷(もくとう)、岡野師のメモリアルビデオの上映、葬儀委員長の挨拶に続き、御寺泉涌寺(真言宗泉涌寺派総本山)の上村貞郎長老、真言宗醍醐派総本山醍醐寺の仲田順和第百三世座主、庭野会長、会員代表として小田敏郎本部相談役が弔辞に立った。
この中で、庭野会長は、岡野師の新宗連理事長としての功績に触れながら、事務局員に対しても教団の枠を超えて親身に話を聴くなどの人柄を紹介。また、平成15年の新宗連結成50周年記念事業の一つとしてタイで行われた「ナムトクの丘・世界平和祈念の集い」で、戦争犠牲者に慰霊の誠を捧げ、絶対非戦の決意を共にした思い出を披歴した。
さらに、同21年の本会創立71周年記念式典の席上、来賓祝辞の中で岡野師が述べた、「私たち宗教者は、拝みあい、認めあい、分かちあい、協力しあう、大和(だいわ)の心でもって、世に『敬い尊ぶ心』を布(し)いてまいりたいものです。一人ひとりの心に、一軒一軒の家庭に、明るく温かい在家宗教の光を灯(とも)していくような宗教協力をしてまいりたいと存じます」という言葉を引用。庭野会長は、この言葉が今も自身の心に刻まれていると語り、岡野師に感謝の誠を捧げた。