第36回庭野平和賞贈呈式 庭野日鑛名誉会長挨拶
博士が、これまで紛争の調停や和解に貢献してこられた国は、実に三十五に及びます。
その経験をもとに、ノートルダム大学やイースタン・ナノメイト大学の教授を務められているほか、ヨーロッパや中米の大学でも講師として、後進の育成にあたられています。また世界各地で世界のリーダーを育てておられます。
「紛争変革」の理論を発展させて開発されたプログラムは数百に及び、実施国は、三十五カ国にのぼります。ご著書も二十四点発刊されていると伺っております。
それらは全て、「紛争変革」の歩みを継承していく後継者の育成を目的としたものにほかなりません。
博士は、こうおっしゃっています。
「平和は、静かな『終局の状態』、つまり落ち着いた状態、であるというより、むしろ、継続的に関係の質を進化させ続けるもの」であると。
いつの時代にも起こり得る紛争・衝突を適切に変革し続けていくのが、最も現実的な「平和」であり、そのためには、慈しみの心を持って平和を希求する人材の育成が不可欠なのであります。
本日の贈呈式を契機として、博士の願いと行動を、より多くの人々が共有することを期待し、また博士がご健康で、これまで同様にご活躍くださることを祈念して、挨拶と致します。
ありがとうございました。