六花の会 仏教を生かす経営 今年も各地で学習会
杉並で「仏教経営者塾」 学び深める
杉並教会での「仏教経営者塾」には、東京教区などから会員ら75人が参加した。『苦を常態と見すえて』とタイトルが付けられた庭野開祖の法話を全員で読み上げ、福永氏の教えを事業に生かして経営改善に努めた板橋教会会員(56)と杉並教会会員(55)が体験発表を行った。
板橋教会会員は、5年前に製餡(せいあん)会社を引き継いだ。餡を改良して売り上げを伸ばしたが、経理担当の姉との関係がこじれ、会社の雰囲気は悪かった。発表の中では、福永氏から「ベクトルを合わせる」ことをアドバイスされたと説明。相手の長所に目を向け、あいさつや感謝の言葉を心がけるとともに、定期的なミーティングの実施で意思の疎通を大切にしたことで、改善が図られたと語った。
建設・土木関係の会社を経営する杉並教会会員は、福永氏から経営者には人間性の向上が求められると教えられた体験を発表。心を磨く努力を重ね、人間の生き方を説く仏教は経営に通じていると確信した今、さらに自身を磨き、従業員を幸せにすることが、世の中を良くしていくことにつながると気づいた心境を述べた。
グループ討議の後、質疑応答が行われ、定年を迎えた社員の再雇用契約のあり方や後継者問題などについて話し合われた。
旅行会社を営む品川教会会員(54)は、「会社の代表として、自分の考えを伝えるだけでなく、社員の思いにも耳を傾け、相互のコミュニケーションをしっかり取る大切さを改めて学びました。より具体的な目標を示すと同時に、社員の思いを受けとめて取り組みたい」と語った。