庭野開祖が「全国への勧請」を発願したご本尊像 第二団参会館ご宝前に遷座

庭野日敬開祖の願いを受け、仏師の錦戸新観師(1908―1995)が制作した木彫で金箔(きんぱく)極彩色のご本尊像がこのほど、立正佼成会の第二団参会館(東京・杉並区)のご宝前に遷座された。

1964年に大聖堂のご本尊像が勧請された後、庭野開祖は全国各教会(当時・支部道場)に木彫のご本尊像を勧請することを発願した。第二団参会館に遷座されたご本尊像は、この時に作られたもの。大聖堂のご本尊像の制作者である錦戸師が65年から1年かけて謹製した。

材質は楠(くすのき)で、高さは約1.3メートル。漆塗りの厨子(ずし)に安置されている。

楠は、古くから神社の境内などを護(まも)る神聖な木とされてきた。軟らかく、加工しやすい特徴を持っていることから、ご本尊像の制作には最適と考えられた。しかし、全国約200カ所全てに勧請するには、時間がかかり過ぎることに加え、湿度や温度の管理が難しいといった条件が重なって困難と分かり、木彫のご本尊像の全国への勧請は断念するに至った。

今年1月12日、第二団参会館のご宝前の間で「第二団参会館御本尊像遷座式」を厳修。東靖憲理事を導師に読経供養が行われた。庭野開祖が「全国に勧請したい」と発願したご本尊像――約50年の時を経て、全国の会員が自由に拝することができるようになった。本部では、「開祖さま、錦戸新観先生の深い想いをかみしめながらご参拝頂ければ」と、多くの会員の参拝を願っている。