WCRP/RfP日本委による平和大学講座 光祥次代会長が基調発題

この後、金子昭・天理大学おやさと研究所教授をコーディネーターにパネルディスカッションが行われ、森伸生・拓殖大学イスラーム研究所所長、吉川まみ・上智大学神学部准教授が発題した。

森氏は、イスラームでは、万物は神アッラーの慈愛による存在であり、アッラーの代理人である人間に対して、家族や貧者、そしてすべてのものを慈しむように奨励していると述べた。また、「ムスリム達(の共同体)は一個の人体のようなものである。もし彼の目が不調を訴えれば、体のすべてが不調を訴える」という『クルアーン』(コーラン)の一節を示しながら、社会で苦しむ人がいれば苦しみを取り除かなければいけないと訴えた。

吉川氏は、キリスト教の立場による地球環境問題の考察について説明。天地万物は神によって創造されたものであり、人間も自然の一部であるものの、人間にはあらゆる被造物と被造界全体をケアする(慈しみ、耕し、守る)責任が与えられているというキリスト教の基本的な世界観、人間観を示した。その上で、ローマ教皇フランシスコが2016年に発表した「被造物を大切にする世界祈願日」のメッセージを紹介。人間が共に暮らす家である地球を慈しむ大切さを強調した。

パネリストの討議に続き、光祥次代会長も登壇して質疑応答が行われた。