「My TEDORI」がワン・ワールド・フェスティバルに出展
アフリカの貧困問題の解消を目指し、立正佼成会(東京・杉並区)は一昨年から、カトリックの在家運動体である聖エジディオ共同体(本部・ローマ)との協働プロジェクト「My TEDORI,My AFRICA チャレンジ!!」に取り組んでいる。この活動の輪を広げていくため、2月2、3の両日、大阪市の北区民センターなどを会場に開催された国際協力イベント「ワン・ワールド・フェスティバル」(主催=同実行委員会、協力=外務省)に出展。フェスティバルには2日間で延べ2万5000人が来場し、本会職員や会員有志は訪れた市民にマラウイでの取り組みを紹介した。
マラウイでは、出生登録の制度はあるものの、普及しておらず、実際に登録されているのは人口の10%程度と低い。出生登録がなければ、教育、医療、社会保障といった公的サービスが受けられず、身元証明がないために、制度の網から漏れるだけでなく、児童婚、児童労働、子ども兵、臓器移植目的の人身売買などの対象にされる危険もある。こうした状況を改善するため、協働プロジェクトでは、出生登録促進プログラム「BRAVO!(Birth Registration for All Versus Oblivion)」を実施。また、同国ではHIV(エイズウイルス)の有病率が成人(15~49歳)の9.1%で、新たな感染者が年間2万7000人に上っており、この問題に対しては、エイズ患者の健康回復と、母子感染を予防するためのプログラム「DREAM(Disease Relief through Excellent and Advanced Means)」を行っている。
今回のフェスティバルでは、PRブースを訪れる人に対し、マラウイの現状と取り組みについて紹介。活動の概要をまとめたパンフレットにマラウイ産の紅茶を添えて配布した。
また、フェスティバルでは、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)に関連した各団体の発表が行われ、同センター会議室に集った市民を前に、厚木教会の女性会員(23)、大田教会の女性会員(21)、豊田教会の女性会員(24)が、『Birth Registration(出生登録)とSDGs』と題して活動を説明した。この中で、自らの人生に照らして、出生登録がなかった場合に起こりうる事態を来場者と共に考えるワークショップを実施し、アフリカの貧困を解消するため出生登録普及の大切さを訴えた。
さらに、17の目標を定めたSDGsには、「2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する」(16.9)という項目があり、「BRAVO!」は、SDGsの達成につながる取り組みであると強調した。
発表を聞いた20代の女性は、「助産師として務めて4年目になる私にとって、出生登録はするのが当たり前の“手続き”との認識しかありませんでした。しかし、そこには、人の人生を守る大きな役割があると改めて知り、特に、開発途上国の人々の暮らしを支援する上で、大事なサポートになることを実感しました」と語った。