本会一食平和基金「2019年度運営計画」 国内外の事業に3億1757万円

「ミャンマー読書推進事業」の昨年の取り組みでは、同国の小学校を移動図書館が訪問。日本からおくられた絵本が子供たちに貸し出された

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、2019年度の運営計画を発表した。今年度の予算総額は、3億1757万6000円。同運営委員会が策定した中期運営方針(2018~23年)に基づき、昨年度と同様、全10分野で事業を行う。このうち、「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」を重点項目とした。また、助成を通じて、NGOなど団体間の協力を促し、より効果的な成果をもたらす「ネットワークの強化」にも取り組む。

「一食を捧げる運動」による浄財は、今年も国内外の平和活動に役立てられる(写真はモザンビークの少女)

本会一食平和基金は、会員が食事を抜き、その食費分を献金する「一食を捧げる運動」によって運営されている。世界平和を願って進められている運動の根底には、生きとし生けるもの全てが大いなるいのちに生かされている、という仏教の「一乗精神」がある。同運営委員会はこれに沿い、「一乗精神に基づく共生の世界実現」を目指して、今年の事業の運用を計画した。

近年、グローバル化に関連して富の偏在が進み、経済格差によって紛争や対立が激化するなど、世界的に分断傾向が強まっている。また、大規模な自然災害や深刻な環境破壊が各地で発生している。こうした問題には多くの要因が絡み合い、解決に向けてさまざまな協力が欠かせないため、同委員会では今年も、NGOや行政機関、宗教団体などが連携し、効果的な活動がなされるよう支援する方針を掲げた。

今年の運営計画では、昨年に続いて「貧困(飢餓)の解消」の分野が重点項目の一つに挙げられた。世界の8億以上の人が極度の貧困状態にあり、この解消が、富の不均衡を巡る争いを経て紛争に至る可能性を減らすとともに、2030年までに達成すべき項目として定められている、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)への貢献にもつながるからだ。この分野では、「アフリカへ毛布をおくる運動」をはじめ、新たに国連世界食糧計画(国連WFP)と実施する「ミャンマーにおける学校給食事業」など三つの活動に、3479万円の予算が充てられた。

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