英国のクエーカー教徒 イスラエルの軍事占領に関わる企業に投融資せず(海外通信・バチカン支局)
英国に暮らすクエーカー教徒はこのほど、イスラエルによるパレスチナへの軍事占領から利益を得ている企業への投融資を行わないとする声明を発表した。
キリスト教一派であるクエーカー教徒たちは17世紀以降、全ての人の平等や非暴力の理念に基づき、奴隷制度や奴隷取引、人種差別に反対の姿勢を示してきた。20世紀には南アフリカでのアパルトヘイト(人種隔離政策)に反対。近年は、化石燃料や武器の製造・取引から利益を得ている企業への投融資を行わないと表明している。イスラエル政府が進める、パレスチナへのユダヤ人の入植活動に対しても異を唱えており、入植活動と関連する生産商品もボイコットしている。
イスラエルの軍事占領に反対している英国の同教徒たちは、声明の中で「私たちは、パレスチナ・イスラエル間に、正義にかなった和平が築かれることを願い、長年にわたって努力してきた。その努力を通して、私たちは、イスラエルのパレスチナ軍事占領に多くの不正義や国際法の蹂躙(じゅうりん)があることを知った」と説明。占領は51年経っても終わりが見えないとし、占領から利益を得る企業に対して、「私たちには、投融資を拒否する道徳的義務がある」と主張している。
また、自らの資産、資金をどのように使うかについても、「日常生活での信仰の実践」に含まれるとし、「世界にポジティブな変革」をもたらすため、「倫理に照らして責任ある投融資を行う」と表明。国際法の順守、非暴力、民主主義が履行されていくことを信じてのことだ。
さらに、そうした倫理が世界で守られるよう、英国のクエーカー教徒たちは、パレスチナ占領地区における企業の活動が明らかになる、国連の「ビジネスと人権に関するデータベース」を待っている。国連の「ビジネスと人権に関するデータベース」を基に、「パレスチナ占領地区で、経済活動を行っている企業」を明らかにする意向も表している。