本会一食平和基金 インドネシア・スラウェシ島の地震と津波被害に緊急支援
9月28日にインドネシアのスラウェシ島中部を震源とする大地震(マグニチュード7.5)が発生し、これに伴う津波と併せ、同国は甚大な被害を受けた。これに対し、立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会は10月10日、300万円の緊急支援を決定した。浄財は現地で支援活動を行うインドネシア仏教協会に寄託される。同協会は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の国内委員会「インドネシア諸宗教評議会」の構成団体である。
インドネシア国家防災庁の発表によると、10月15日時点で、2100人以上の命が奪われ、680人が行方不明になっている。重傷者は5000人以上。倒壊した家屋は6万8000軒以上に上り、8万2000人を超える人々が避難生活を余儀なくされている。
最も被害が大きかった震源近くの中スラウェシ州では、州都パルを含む沿岸地域が津波に襲われたほか、土砂崩れ、地面の液状化現象が発生した。5000人近くの人々が大量の泥流にのみ込まれ、いまだ見つかっておらず、犠牲者はさらに増えるとみられている。
また、電気や水道などのライフラインが寸断され、多くの道路が通行不能となったことで、食料など救援物資の輸送や瓦礫(がれき)の撤去作業が遅々として進まない状況が続いている。その影響で、水の衛生環境も極度に悪化。ライフラインの復旧には相当の時間を要するため、水を媒介する感染症の流行も懸念されている。
本会一食平和基金運営委員会では、こうした状況を踏まえ、被災地で救援活動を展開するインドネシア仏教協会に支援金の拠出を決定した。
同協会は、震災発生直後から、仏教団体を中心に緊急支援チームを編成し、被災地に食料や飲料水、テントなどの物資を輸送している。このほか、瓦礫の撤去や道路の復旧に役立つ重機の投入、けが人の治療を行う医療チームの派遣などの活動を展開中だ。
今後は、優先課題である瓦礫の撤去を中心に現在の活動を継続していく。さらに、災害によって親と死別・離別した子供たちの心的外傷後ストレス障害(PTSD)を治療する医療専門チームの派遣や医薬品の提供のほか、家屋の再建の資材を届ける活動にも力を注ぐ予定。こうした支援に「一食を捧げる運動」の浄財が役立てられる。