「開祖さま入寂会」  生かされている有り難さを感じ、共に精進を誓願

続いて、教会長を経験した会員が『開祖さまを偲んで』と題して発表に立ち、昭和59年、佐原教会長に就任した際、庭野開祖から、信仰熱心だった両親を手本に謙虚な心で多くの人の支えとなるよう指導を受けた体験を述懐した。その言葉を胸に刻み、会員と共に仏道精進に励む中で得たことの一つとして、「いつでも、どこでも出会った人を大切にする。それが仏さまの教えにかなった生き方」と語り、今後もそうした思いで歩み続けることを誓った。

この後、庭野会長が登壇した。

法話を述べる庭野会長

焼香後、法話に立った庭野会長は、先月、会員と触れ合うため、小笠原諸島の父島を初めて訪れた際、船中や島で壮大な自然を目にした時の感動を披露。彫刻家であり詩人・歌人でもあった高村光太郎の「海にして太古の民のおどろきをわれふたたびす大空のもと」という短歌を紹介しながら、人間は太陽の光が届くことによって生かされ、さらに、宇宙にある元素と同じものが人の体を構成しているとし、「宇宙と私たちは一つ」であって、生かされていることを深く認識するよう説いた。

また、仏を拝むという意味合いに言及。「私たちが、永遠に変わらない真理を悟られた仏さまを拝むとは、真理を拝んでいること」であるとともに、「合掌して拝むのですから、私たちと仏さまが一つになる、すべては一つになることを教えてくださっています」と述べた。その上で、真実の道理(真理)の中には、すべての人が死を迎えることが含まれており、死があることで「初めていのちを生きている」という意識が生まれると話した。