フクシマコミュニティづくりPJの集い 現状から100年後の未来を構想する
次いで、一般財団法人「ふくしま百年基金」の山﨑庸貴代表理事が、『ふくしま百年基金が目指す未来』をテーマに講演した。
山﨑氏は、復興支援事業や非営利団体の活動を進める上で、外部からの助成金だけを頼りにしていると、資金が不安定になり、活動が制限されることや、中断に追い込まれる場合があると説明。被災地域の中に長期的に安定した資金をつくることで、仮に外部からの助成が減少したとしても左右されない仕組みが構築できると強調した。
また、「ふくしま百年基金」では、福島県民一人ひとりが復興に向けてより主体的に取り組み、課題を解決していくため、59の全ての市町村を回り、地域住民と共に、100年後の未来を考える機会を設けたことを紹介。「地域を良くするために活動したい」「地域を良くするために資金を提供したい」「地域の魅力や困り事を深く知り、自らができることを考えたい」という市民をつなぎ、人々の志と資金を循環させて未来をつくっていくことが目的と語った。
この後、「なみとも」、認定NPO法人「ふくしま30年プロジェクト」、「柳生ニコニコガーデンクラブ」の3団体がそれぞれの活動を報告した。
続いて、『仮設・復興住宅における住民同士の触れ合い』『子供や障がい者・高齢者の助け合いと寄り添い』『放射能問題との向き合い』『郷土の祭り・芸能によるこころの繋がり』『帰還後の生活再建に向けて』の五つのテーマごとにグループをつくり、情報交換会が行われた。東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示が解除され、帰還した住民の声が紹介された。親しくしていた隣近所の行方が分からず孤立している状況や、若者が流出し、地域の将来を担う人材がいないことが課題として示された。