長沼脇祖を追慕する「脇祖さま報恩会」 全てが仏性の現れと庭野会長が法話
この後、法話に立った庭野会長は、本会では庭野開祖、長沼脇祖の指導を受け、釈尊の教えに基づいて一人ひとりが仏性を開顕する大事さを教えられてきたと強調。仏性とは、形がない上に、一部分ではなく全体であって、「一切衆生の全体が仏性。草木国土、風も水も、あらゆるものが仏性の現れ」と述べた。その上で、「私たちは、心のどこかに仏性があって、修行するとだんだん大きくなるような感じを持つことが多いと思いますが、皆が仏性であり、人間だけでなく、全てが仏性そのものです。そのことを素直に受け入れて仏道修行することで、本当の意味の仏性開顕がなされていきます」と説いた。
さらに、人間が生きていく上で重要な事柄として、ロボット博士として知られる東京工業大学名誉教授の森政弘氏が提唱する「非まじめ」の意味合いを紹介。不まじめと異なり、非まじめとは、まじめを超越するものであり、「時には冗談を口にするなどして、人の心を喚起していくことが人間には大事です。私たちは、まじめであるのと同時に、非まじめになって世の中の人々を一つにしていく。そういうことが、望まれているのではないか」と語り掛けた。
また、利己心についても言及した。世の中を動かしていく政治の分野などでは、利己心の強い人間同士が「私」の心を「公」に奉仕するという心に転じさせ、尽くすことが大事であると説明。利己心とは、普通良くないものとされるものの、社会全体を動かしていく原動力になる面があるとし、そうした点を認識していくことも必要と示唆した。「仏の心」を大きく捉え、精進させて頂くことが大切と結んだ。
式典後、庭野会長、光祥次代会長は、「お山」(長沼脇祖旧私邸)を参拝した。
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