ローマ教皇 「来年に訪日」の意向を表明 (海外通信・バチカン支局)

ローマ教皇フランシスコは9月12日、水曜日恒例のバチカン広場で行われる一般謁見(えっけん)を前に、教皇パウロ六世ホールの控室で「天正遣欧使節顕彰会」の代表団と面会した。

面会の席上、教皇は、400年以上も前の1582年に欧州に派遣され、85年にローマを訪れ教皇グレゴリウス十三世に謁見した伊東マンショ、千々石ミゲルら天正遣欧少年使節団の功績を、「二つの偉大な文化と霊性の出会い」と称賛。「あなた方の会がなされるように、天正遣欧少年使節団の記憶を保存していくことは、正しいことだ」と述べた。スピーチを終えた後、突として「あなたたちのバチカン訪問を機に、来年、日本を訪問したい意向を表明したいと思います。実現できることを希望しております」と明かした。

安倍首相は2014年、バチカンで教皇フランシスコと懇談した際、教皇の訪日を要請していた。今年5月には、長崎市の田上富久市長がバチカンでの一般謁見に参列し、被爆地から核兵器廃絶に向けたメッセージの発信を願う親書(松井一實広島市長と連名)を教皇に手渡し、長崎、広島への訪問を要請した。

教皇の訪日の時期や訪問地などの詳細は発表されていないが、訪日が実現すれば、1981年のヨハネ・パウロ二世の広島、長崎などへの訪問以来、38年ぶりとなる。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)