地球温暖化を防ぐために 本会が2017年の「EMS」運用実績を発表

普門メディアセンターの屋上に設置された太陽光パネル

立正佼成会本部は、教団組織内の環境保全活動に関する「環境マネジメントシステム」(EMS)の2017年の運用実績を発表した。

EMSは、組織や事業体が環境保全に関する方針や目標を自ら設定し、その達成に向けて、組織活動で生じる環境への負荷を持続的に改善する仕組み。

本会は、09年には「環境方針」を発表。「いのちの尊重」「共生の実現」「簡素なライフスタイル」を「基本姿勢」とし、「炭素排出量の削減」「3R(リデュース=発生抑制、リユース=再使用、リサイクル=再資源化)の推進」、「一食(いちじき)を捧げる運動の推進」といった目標を掲げた。さらに同年、EMSを導入し、本部諸施設や青梅練成道場、生誕地道場、佼成霊園での電気、ガス使用量に基づく炭素排出量や一般廃棄物(ゴミ)の削減に取り組み始めた。

地球のためにできることを話し合った本部職員による「エコリーダー学習会」

地球温暖化への対策として大聖堂や事務庁舎に太陽光発電装置を、ゴミの削減を目的に第二団参会館に生ゴミ分解処理機を設置。昨年落成した普門メディアセンターにも太陽光発電装置が新設された。さらに、教団職員の環境意識の向上を図る研修を定期的に開催。残業をしない日を定める「エコデー」の推進や空調管理、照明器具の頻繁な消灯など、各自の行動改善によるエネルギー使用量の削減にも努めてきた。各部署で「ペーパーレスの推進」「階段の積極的な利用」「施設周辺の清掃」といった目標を設定し、達成に向け工夫を重ねている。

こうした取り組みにより、17年の炭素排出量は4090万トンで、前年から294万トン削減された。EMSの運用が開始された09年の半分以下となる。また、コピー用紙の使用量は、前年比で約24万カウント減少。A4判のコピー用紙に換算すると、段ボール48個分が削減された。

一方、一般廃棄物量は11万5841キログラムで、前年比で2万5329キログラム増加したが、これは普門館の解体に伴う事務所の移転や普門メディアセンターの落成によるものだ。

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EMS事務局の職員は、昨年の実績報告について、「継続して取り組んできたことで、環境への意識は職員の生活の一部になりつつあります。職員の自主的な環境保全活動がより活発になるよう、さらなる啓発に努めたい」と話す。

なお、教団創立80周年を迎えた今年から、環境への配慮を「菩薩行の一環」と位置づけ、「立正佼成会版EMS」(Rems)の運用を開始した。これは、15年まで導入していた国際規格認証「ISO14001」をベースにしたもので、地球環境の保全に向け、本会独自のシステムの構築に努めている。

 

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