仏教の智慧を子育てに 本会バンコク教会がクロントイ・スラムで家庭教育セミナー

セミナーには、親だけでなく、働きに出ている親に代わって子供の面倒を見る祖父母や親戚なども参加。プラティープ氏も同席した。

導入部分でムックダートーンさんは、参加者が自らを抱き締める動作を通して自分に愛情を伝えるとともに、子供を大事に思っている自分を褒めるワークを行った。社会から阻害されている人は自己肯定感が低いことが多いといわれているため、子供を受け入れるにはまず、自分を認めることが大事と考えてのことだ。

続いて、仏教の智慧(ちえ)に基づいて子供の心を育てる家庭教育の意義について自身の経験や家庭教育の実践例を動画などで紹介しながら解説。子供の思いを尊重すること、同時に子供は親の真似(まね)をすることを踏まえ、大人が率先して「良い言葉」を使う大切さを伝えた。

写真提供・同教会

参加者は真剣に耳を傾け、終了後には「勉強になった」「家に帰ったら一番に子供を抱き締めたい」などの感想が寄せられた。

セミナーを振り返り、ムックダートーンさんは、「子供の気持ちをそのまま受けとめることは難しく、私自身、感情に左右され、失敗をすることもあります。でも、家庭教育を学んでいるおかげで、いつも原点に立ち戻ることができます。スラムの方々も生活は大変だと思いますが、家庭教育を通して大人たちの接し方が変わり、将来を担う子供たちが、お互いに助け合える、思いやりのある人間に育ってくれることを願っています」と話した。