朝日新聞社と東京佼成ウインドが吹奏楽ワークショップ 普門館で最後の演奏指導
恐る恐る手を挙げ、緊張の面持ちで質問する。「きれいな音を出すためのコツは何ですか」「練習するときに意識していることはありますか」。吹奏楽を学ぶ中学生たちは講師に問い掛けた。講師は東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)のメンバーらで、生徒たちの質問に「それはね……」と丁寧に答えていく。
吹奏楽に励む中学生を対象に「吹奏楽ワークショップ2018」が6月3日、普門館(東京・杉並区)で行われた。朝日新聞社とTKWOの共催によるもので、7回目となる。普門館は今年12月から解体工事に入るため、今回が普門館で行われる最後の演奏指導となる。
当日は、楽器の演奏を始めたばかりの中学1年生から中学3年生までの約120人が参加。楽器のパートごとに分かれ、TKWOの楽団員から姿勢、呼吸法、練習の仕方などを教わった。
パート別の練習終了後、普門館大ホールのステージに移動、全体練習が行われた。合奏が始まる。緊張して自信を持った音が出ていないと感じたのか、タクトを振っていたTKWOのホルン奏者、上原宏さんが「この広いホールの奥の奥、2階席の最後の列に座っているお客さんに届ける思いで吹いてください。そして、今まで目にしたものの中で最も美しかったものを思い浮かべて演奏してみてください。そうすると素敵な音が出ますよ」とアドバイス。
2011年まで全日本吹奏楽コンクール全国大会の会場として使われ、「吹奏楽の甲子園」として親しまれていた普門館。全体練習を終えた参加者は、かつて、多くの吹奏楽部員が目指したステージで楽団員と共に、マーチ「トライ・マイ・ベスト!」を合奏した。
演奏を終えた中学生は緊張が解け、顔をほころばせた。
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