本会による「一食研修ツアー カンボジア事業」の一行が「仏教研究復興支援事業」などを視察
立正佼成会による「一食(いちじき)研修ツアー カンボジア事業」(団長=河南有紀泉州教会長)の一行13人が、4月29日から5月6日までカンボジアを訪れ、一食平和基金による支援事業を視察した。
同国では仏教が国教であり、精神文化の基盤である仏教研究所や仏教寺院、僧侶などが、1975年から始まったポル・ポト政権による弾圧やその後の内戦で壊滅的な打撃を受けた。こうした状況に対し、一食平和基金では2002年に復興の柱となる仏教研究所の再建や仏教書の復刻、研究活動に資金を援助。その後も、有力な支援団体の撤退により蔵書管理面で生じた不備や、僧侶の育成面で重要な役割を果たす宗教文化雑誌『カンプチヤ・ソリヤ』の休刊といった状況を改善するため、16年から18年まで「仏教研究復興支援事業」として約2200万円を支援してきた。
今回の視察は、仏教によるカンボジアの復興を実感し、支援事業の進ちょくや成果を確認するとともに、「一食を捧げる運動」への理解を深め、運動推進の担い手育成につなげることが目的。
4月30日、一行は東京中央支教区の青年部員らで構成され、布教支援のために本会プノンペン法座所を訪れていた一団(団長=榎本好男港教会長)の9人と共に同研究所を訪れ、ヒム・チェム宗教大臣と面会した。冒頭、同大臣はこれまでの支援に対し謝意を表明した。これを受け、河南団長が「一食運動」の概要について説明。運動が月に数回の食事を抜き、その食費分を献金するとともに、貧困や紛争などに遭う人々の苦しみに寄り添う取り組みであると紹介した。その上で、「世界平和の願いがこもった浄財がカンボジアの人々の復興に役立てられることは、大きな喜びです」と語った。