新宗連が岩手で新生復興祈念集会 震災犠牲者の慰霊と被災地の復興を祈り
翌17日朝、一行は釜石市鵜住居(うのすまい)地区の根浜海岸で震災犠牲者を追悼し、早期復興を祈念。この後、釜石市民ホールで、『被災地の復興状況と被災者の今』と題した学習会を実施し、一行のほか加盟教団から150人が参集した。保積秀胤・新宗連理事長(大和教団教主)、野田武則・釜石市長によるあいさつに続き、菊池亮・釜石市社会福祉協議会課長、宗教者を代表して本会の小林克州・前釜石教会長が講演に立った。
菊池課長は、被災地でボランティアにあたるNPO法人や宗教団体が持っている地域の現状や住民のニーズなどの情報を、行政や社会福祉協議会と共有する態勢が築かれていると説明。こうした官民の連携によって、不安や悩みを抱える市民に福祉サービスを提供していきたいと述べた。
小林前教会長は、震災直後に釜石教会道場を避難所として地域住民に開放したことなどを紹介。被災者は今も心身の悩みや経済的な不安を抱えて暮らしているとし、同教会では、人々が思いを吐き出せるように、相手の胸の内に耳を傾ける触れ合いを心がけ、「心の安否確認」を皆で実践してきたと話した。この取り組みを通して、「人間が本来持っている『相手を思う』という温かな心が育まれている」と強調した。
新宗連理事で企画委員長の田澤清喜・松緑神道大和山教主は本紙の取材の中で、震災から7年が経ち、福島県の原発事故に伴う問題、宮城県の津波被害からの復興が大きく報道される傾向にあるものの、岩手県を含め被害を受けた地域はどこも復興の途上にあると説明。「宗教宗派の違いを超えて共に祈りを捧げ、被災地に暮らす人々の声に耳を傾け続けながら、『決して忘れない』との思いで復興を祈念していきたい」と語った。