軍隊を持たないコスタリカ その軌跡を追った映画の監督が来日

法学者の谷口氏は、日本国内で「憲法改正」の議論が高まる中、国民は政治家に任せるのではなく、自らが主権者であるとの自覚を深め臨むことが大切で、未来への責任を持って議論を深めるべきと話した。

一方、伊藤氏は、平和外交を進めてきたコスタリカは国内で、過去10年間に、総人口の4分の1に当たる100万人の難民を受け入れ、国籍も与えていると説明。「誰もが一緒に生きていける社会をつくろうというのがコスタリカの発想」と語り、平和憲法を生かす国のあり方は、日本にも求められていると強調した。

さらに、映画に登場する憲法学者のロベルト・サモラ氏に言及。サモラ氏は大学3年生だった2003年、当時の大統領が米国のイラク戦争を支持したことは憲法違反として訴訟を起こし、翌年に最高裁で全面勝訴を勝ち取った人物だ。現地で取材した際、サモラ氏は起訴の理由を、「憲法が危機に陥った時に国民には闘う責任がある」と力強く語ったとし、感銘を受けたエピソードとして紹介した。

※この映画は、ユナイテッドピープルを通じて自主上映ができます。詳しくは、http://cinemo.info/kaisai.html