WCRP/RfP日本委による平和大学講座 求められる対話とは何か

この後、パネルディスカッションが行われ、永尾氏に加え、間瀬啓允・慶應義塾大学名誉教授、松井ケティ・清泉女子大学教授が登壇。山崎氏をコーディネーターに意見が交わされた。

間瀬氏は、社会の世俗化が進み、特定の宗教や宗派の組織から距離を置く人が増えている一方、「人知を超えた何者かに対する畏敬の念は依然として大事にされている」と指摘。さまざまな神や仏を同時に敬うといった考えが人々の宗教心を支えていると解説した。

その上で、対話とは、「私の中の何かが変わる経験」であり、「豊かな宗教性の深まり」と持論を展開。また、対話を行うには、「信頼と支え合い、つながり」の三要素がそろった人間関係が必要となると述べ、建設的な対話が図られた事例を紹介した。

一方、松井氏は対話について、「相手を説得するのではなく、互いにとってプラスになる転換を模索すること」と説明。表面化している深刻な対立状況を解決するには、水面下で生じているさまざまな問題を一つ一つひもとき、理解に努める必要があるとして、自己と他者を慈しみ、想像力や共感性を育むことが大切と語った。

なお、これに先立ち、同日午前に予定されていた「第25回理事会」は、諸事情で欠席者が相次いだため、規定により開催できず、「理事懇談会」に変更。議題は次回の理事会に持ち越された。