東日本大震災発生から7年 被災地で慰霊・鎮魂の祈り
翌11日には、仙台教会が教会道場はじめ各地の地域道場で「東日本大震災慰霊供養並びに復興祈願供養」を厳修。会員327人が各道場に集った。
教会での式典では、読経供養に次いで女性会員(49)が体験説法。冒頭、震災で両親を亡くし、今でも3月が近づくと、心がふさぐと吐露した。
その上で、両親から学んだこととして、人を好き嫌いで判断せず、常に笑顔で人と接する大切さを振り返った。多くのサンガ(教えの仲間)の支えに感謝の意を表し、「支えてもらう自分から人を支えられる私になり、どんな時も笑顔で自分らしく輝くように精進します」と決意を述べた。
この後、名取市閖上(ゆりあげ)地区の日和山と、亘理(わたり)郡山元町の曹洞宗普門寺を訪れ、慰霊供養を行った。
同教会は震災の翌年、犠牲者の慰霊と鎮魂のため、包括地域内10カ所に庭野日鑛会長によってつけられた戒名を記した供養塔を建立。長い月日を経て戒名の印字が薄くなったことを受け、今年、新たな供養塔を日和山と普門寺に安置した。
当日は寒風が吹く中、供養塔の前で慰霊供養を実施。犠牲者の冥福を祈るとともに、被災地の早期復興を祈念した。あいさつに立った近藤雅則教会長は、「犠牲となった人々への最高の供養として、私たちが生きがいを持ち、いのちに感謝して一日一日を精いっぱい生きていくことが大切」と語った。
震災で友人の一人を失った男性会員(21)は、「この7年は高校生活や仕事に明け暮れ、あっという間に過ぎてしまったように感じます。これからも心の復興を大切にしながら、彼の分まで一生懸命に生きていきたい」と語った。
このほか、10日に被災地域を包括する釜石、石巻の両教会、11日に平、茨城の両教会が教会道場で慰霊供養を実施。磐城教会は11日に教会道場で式典を行った後、小名浜港と江名港で慰霊の誠を捧げた。