中央学術研究所が「アジア哲学叢書」3巻を同時発刊
立正佼成会中央学術研究所はこのほど、『Philosophica Asiatica(アジア哲学叢書)』の第2巻の第2版として『Jinālaṅkāra(ジナーランカーラ)――詩脚索引・語彙(ごい)索引』および、第3巻の第2版『Vimalakīrtinirdeśa(ヴィマラキールティ・ニルデーシャ)梵文維摩経―正順・逆順語彙索引―』、第4巻『To Digitize Myanmar Manuscripts, Manuscripts List and Digital Book Production(ミャンマー写本のデジタル化・写本のリスト・デジタルブック作成)』を発刊した。
アジア哲学叢書は、初期仏教や大乗仏教をはじめとするアジア圏の諸思想研究に資することを目的にシリーズとして発刊されている。
第2巻は、12世紀頃にスリランカの学僧ブッダラッキタがブッダの生誕から涅槃(ねはん)までを表現した仏伝詩文学『ジナーランカーラ』の詩脚、語彙索引を収録している。第3巻では、維摩経のサンスクリット原典をローマ字に転写、校訂した『梵文維摩経―ポタラ宮所蔵写本に基づく校訂―』(大正大学出版会)を基に、単語を精査し誤植を訂正した索引集。各巻の再版となる両書では、各経典の校訂本を忠実に再現した索引を作成し、韻律の解析を付加した。
中央学術研究所の西康友主査、仙台高等専門学校の逢坂雄美名誉教授が編纂(へんさん)に携わった。
また、第4巻では、ミャンマー僧院に現存する写本を収集した経緯を踏まえ、貴重な未公開写本の名称を掲載。さらに、写本の画像データから電子書籍を作成するプログラムの使用法などを紹介している。同プログラムはパーリ文献協会のプルット博士、逢坂名誉教授の共同研究によるもの。
アジア哲学叢書は、仏教教理や仏教思想の研究発展に向けて幅広い活用が期待される。