WCRP/RfP日本委 平和と和解のための人材育成セミナー 対立を乗り越えるための方策学ぶ

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の「和解の教育タスクフォース」による「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」(第4回)が2月10、11の両日、大聖ホール(東京・杉並区)などで行われ、34人が参加した。同タスクフォース運営委員として、立正佼成会の庭野光祥次代会長(WCRP/RfP日本委理事)が出席した。

同セミナーは、日常生活に起こる課題から国際問題まで、さまざまな対立を乗り越えて和解をもたらす人材(ファシリテーター)の育成を目的として、全8回のプログラムで開催されている。

今回のテーマは、『他者をうけいれる』。アフリカやアジアなど30カ国以上で地域コミュニティーと協働し、紛争和解に取り組んできた米・エリザベスタウン大学常勤研究員のジョナサン・ルディ氏、平和教育や多文化理解を専門とする清泉女子大学教授の松井ケティ氏(同タスクフォース運営委員)が両日の講師を務めた。

和解や調停について学ぶプログラムで、グループ発表を行う参加者

10日は、『和解のための調停/理論と実践』と題してルディ氏が講義を行った。同氏は自身が務める「調停者」について言及し、人々に調和をもたらすためには、「自分の心が平和でなければならない」と説明。対立する両者の主張を丁寧に引き出した上で食い違いや意見を明確にし、問題の本質を見極めることで、調停者は解決に導くことができると強調した。

講義の中で参加者は、地域、国内、国際レベルのさまざまな紛争について意見を出し合い、そこから一つの例を選択。これを題材に、調停前の聞き取り調査を行う「プレップ・ミーティング」と、対立する両者のそろった交渉を調停者が取り持つ「ジョイント・ミーティング」をロールプレイ形式で体験した。

続いて、松井氏による指導のもと、参加者は4グループに分かれ、人々の心に変革を起こし、行動を促進させる「アクティビティ」のプログラムをそれぞれ企画。各グループは、「現代日本人の宗教離れを考える」「社会の息苦しさに向き合う」などの目的を設定し、翌11日にアクティビティの発表と実演を行った。

なお、次回のセミナーは4月28、29の両日、『つながる/つなげる』をテーマに福島で開催される。