「NGO非戦ネット」がトークイベント 『国境を越え世代を受け継ぐNGО』テーマに

「NGO非戦ネット」の有志12人による共著『非戦・対話・NGO――国境を越え、世代を受け継ぐ私たちの歩み』(新評論)の発刊を記念するトークイベントが1月26日、聖心女子大学聖心グローバルプラザ(東京・渋谷区)で開催された。フォトジャーナリストの安田菜津紀氏がゲスト出演。会場には、NGO関係者や市民60人が参集した。

NGO非戦ネットは、国際協力NGOの関係者を中心とした連帯組織で、安全保障関連法案が国会で審議されていた2015年7月に発足。紛争地や対立の傷痕が残る現場での活動による、「武力で平和はつくれない」という信念のもと、非戦の思いを市民と政府に届け、市民が広く結集できるネットワークを目指している。現在、国内77団体、約300人が賛同する。

新評論(本体2600円+税)

当日は、日本国際ボランティアセンター(JVC)代表理事の谷山博史氏、開発教育協会事務局長(DEAR)の中村絵乃氏、APLA事務局スタッフの野川未央氏が登壇し、トークセッションが行われた。安田氏が進行役を務めた。

この中で谷山氏は、「非戦」の意味について、「戦争や紛争を生み出すさまざまな要因を除去していくという側面と、対話の中で(諸課題を)解決していくという価値観を含んだ取り組みを指し、単なる理念やスローガンを超えた、一人ひとりの生き方を含んだ言葉」と説明。「反戦」よりも平和に向けて積極的な、「非戦」の理解を一般社会に広げていく必要があると訴えた。

一方、公正な世界の実現に向け、国内で「開発教育」を推進する中村氏は、他国での問題を身近に考えるきっかけとしてスマートフォンを例示。スマートフォンは1000以上の部品からできているが、材料の一つである希少金属はアフリカの紛争地で生産され、武器購入の資金になっていると述べ、「私たちが毎日使っているスマホも、実は戦争とつながっている」という視点を人々に伝えていると紹介した。

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