2017年末に宗教者が研究会議 『壁を越え、つながりをつくる――排除と孤立の時代に向き合う』テーマに
増える在留外国人と宗教施設 新たな隣人を受容し、身近な交流を
次に、在留外国人の増加に伴い、国内で伸張する「ニューカマー宗教(90年代以降、日本に定住した外国人が信奉する宗教)」の現状について、大阪国際大学の三木英教授が講演した。
三木氏は、2017年6月末時点で在留外国人が247万人を超え、増加傾向にあると解説。少子高齢化が進むにつれ、国内の労働力不足を補うために外国人労働者の雇用が促進され、在留外国人が急増してきた経緯を説明した。中でも、近年は東アジア諸国のほか、フィリピンやベトナム、イスラーム圏の出身者が増え、各地の民家を宗教施設(キリスト教会・仏教寺院・モスク)に改修し、「礼拝の場」「互助実践の場」として在留外国人の拠点になっていると紹介した。
さらに、在留外国人と宗教施設は今後も増加していくと述べ、日本社会との接点、地域住民との関係構築が課題になると指摘。「受け入れる側の私たちから、他宗教や異文化に触れ、相手を理解しようと努力するとともに、料理教室や祭りなどの催しに参加し合い、身近な交流を重ねていくことが、“壁”を越えていく一歩になる。各地で暮らす外国人は日本人と知り合い、信頼を結ぶことを望んでいる」と語った。
また研究会議ではパネル討議が行われ、仏教、神道関係者、研究者らが、寺社や大学による地域社会貢献活動などを報告した。
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