佼成雅楽会を55年指導した文化勲章受章者の芝氏 庭野会長と懇談
昭和37年から、立正佼成会の「佼成雅楽会」で伝統芸術を担う人材の育成に当たってきた芝祐靖氏(82)と東儀良夫氏(83)が今年、55年間務めた講師の任を降りた。12月18日には、芝氏が来訪し、法輪閣において庭野日鑛会長と懇談した。東儀氏も出席の予定だったが、急きょ、所用により欠席した。
芝氏は、古代以来の宮廷雅楽師を務める狛氏一族の出身。同30年に宮内庁式部職楽部楽師に就き、龍笛(りゅうてき)の名手として知られる。作曲や廃絶曲の復曲にも努め、現在の天皇・皇后両陛下の「御成婚祝典序曲」も作曲した。今年11月、雅楽の世界からは初となる文化勲章を受章。佼成雅楽会では、龍笛、高麗笛(こまぶえ)、琵琶、左舞の指導に当たった。
東儀氏は、古代以来の宮廷雅楽師の秦河勝一族の出身。同28年に宮内庁式部職楽部楽師になり、平成11年に退官するまで、楽長補、主席楽長を歴任した。篳篥(ひちりき)の奏者で、佼成雅楽会では、篳篥、右舞を指導した。
12月18日、法輪閣での懇談では、講師として佼成雅楽会の発展に尽力した芝氏に対し、庭野会長が謝意を表した。これに対し、芝氏は、雅楽の歩みに触れながら、多くの人に親しみを持ってもらえるように子供対象の演奏会や作曲活動に取り組んでいることを紹介。最近も九州各地を訪ね、雅楽を通じた交流や演奏の指導を行ったことを報告した。その後、庭野日敬開祖が喜寿を迎えた記念として、「嘉祥萬寿楽(かしょうまんじゅらく)」を作曲したことなどが話題に上った。