本会奥羽支教区による被災地ボランティア 「岩泉よりそい隊」の取り組み

昨年8月、台風10号が岩手・岩泉町に上陸し、甚大な被害をもたらした。今秋で1年余りを迎えるが、被災地では今も復旧作業が行われている。

立正佼成会奥羽支教区では、同町に住む釜石教会の会員宅で被災後の片付けなどを開始するため、10教会の壮年部員を主体とした「岩泉よりそい隊」を組織。損壊した家屋からの家財搬出や、家屋や庭に流れ込んだ汚泥の除去、がれきの撤去に取り組んだ。その後、昨年末まで、定期的に奉仕活動を継続。地域住民の家屋や農地の片付けのほか、カイロなど支援物資の配布を行った。

岩泉町の高齢化率は4割を超え、全国平均より高く、一人暮らしや夫婦だけの世帯も少なくない。高齢者世帯のほとんどが農業を営むが、人手不足から、水害で荒れた田畑はほぼ手つかずの状態だった。

同支教区は、岩泉町の復旧復興が今年に入ってしばらく経っても十分に進んでいない実情を踏まえ、ボランティア活動の継続を決定した。今年5月から11月まで毎月1回、同町小本地区を中心に各教会の壮年部員、一般会員、青年男子・女子部員らが奉仕活動を展開。延べ873人が参加した。青年部員たちは損壊したビニールハウスの解体、耕作地にたまった堆積物の除去、ストーブの燃料となるまき割りなどにあたった。

このほか、各教会では今年1年間、「岩泉町台風10号復興支援」として青年部、学生部を中心に街頭募金などを実施。昨年5月に釜石教会道場で行われた中学生練成会では、盛岡、花巻、釜石教会の中学生が釜石市内各所で募金箱を抱え、被災地への支援協力を市民に呼び掛けた。また、復興支援募金箱を作り、青年部員を中心に各自が実践日を設け取り組んだ。

11月上旬、盛岡教会で開催された「奥羽支教区青年幹部会」では、ボランティアを通して得た気づきや学びを各教会の青年部員が発表。席上、一般社団法人Jump千葉泰彦代表に復興支援募金302万6431円が贈呈された。支援金は、ミニショベルなどの重機、建物解体用工具類の購入のほか、傾聴サロンの運営など被災地の復旧復興を目的とした諸活動に活用される。

千葉氏は発災以来、同支教区と共に町民の生活復旧の取り組みに従事。支教区のボランティアを振り返り、「中学生から80代の方までがスコップを手に泥をかき出してくれました。その姿に勇気づけられました。今後は、人々の心に寄り添う『傾聴』が重要になると思います。皆さんの協力を励みに一歩ずつ進みたい」と話した。

幹部会実行委員長を務める八戸教会の青年男子部長は、「岩泉町の方々が受け入れてくださったおかげで、ボランティアをさせて頂くことができました。奥羽地方に生きる仲間として皆さんの生活に役立てるよう、活動を続けたい」と意気込みを語った。