笑い(ダジャレ)で閉塞感を打ち破る! ビジネスユーモア研究家・川堀泰史氏
ダジャレは仕事の効率も上げるようです。2013年に宅配ピザ大手のドミノ・ピザ ジャパンが200人の会社員を対象にダジャレに関する調査を行いました。その結果、ダジャレが言える職場の満足度は77%。ダジャレが言えない職場は39%でした。また、職場で笑いが起きると約7割の人が「やる気がアップする」と答えています。笑いは不謹慎と思われがちですが、笑いが起きるのは、職場にとって大事なことなのです。
私は会社人生の中で、人と笑って話せる「笑談力」と、考えて動く「考動力」を大切にしてきました。これらを品質管理の手法であるPDCA (Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Action=改善)を基に磨いていくことをお勧めしています。
考動力とは「指示待ちのマニュアル人間になるな、頭を巡らせて動け」ということです。ビジネスの世界で、なぜこれが大事かといえば、「考えない、動かない、マニュアルだけで動く」と問題が発生するからです。
ではどう磨いていくか。「集める」「定める」「発する」「深める」「評する」「整える」という六つの力を使ってPDCAを回していきます。
「集める」とは、見る、聞く、感じるといった洞察のこと。「定める」とは、調べて課題を設定していくことで、計画を頭で考えるだけでなく、書き出すことが重要です。集める、定めるはPDCAのPに当たります。
「発する」は、言う、示すといった伝えることを意味し、「深める」とは踏み込んでいくことで、商談や交流の場では大切です。どちらもDになります。
「評する」はCで、相手と自分を想(おも)い、吟味して気づいていくというプロセス。「整える」はAで、仕分けをして改善していくことになります。ここでもA4判1枚にまとめる、見える化が大事です。
目配り、気配りの利いた、思いやりのある働きかけに、笑いは有効です。笑談力と考動力を磨くことで、閉塞感を打ち破ることができると思います。
(10月24日、六花の会によるオンライン仏教経営者塾での講演から。文責在記者)
プロフィル
かわほり・やすし 1950年生まれ。74年、日本経済新聞社に入社し、広告局の営業支援部署に配属。入社10年目、営業部署へ異動。「笑いの取れる営業マン」として業績を上げ、社内外の人脈を広げる。東京本社広告局長などの要職を歴任し、2010年から14年まで日本経済社の社長を務めた。千葉教会所属。
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