【シングルズキッズ株式会社代表取締役・山中真奈さん】人との温かいつながりの中で子供たちの心を育む社会を

母親の愛情が伝わるよう願い 心と生活支える活動さらに

――子供たちが健やかに育つために、身近にいる大人が心がけることは

先ほどもお話ししたように、お母さんたちが心にゆとりを持って子供と接し、愛情を伝えることが大切です。そのため、お母さんの心の声に耳を傾ける「傾聴」がとても重要になります。

お母さんたちはそれぞれにいろいろなことを抱え、心がパンパン。ですから、それぞれが持つ自立する力を信じ、「そうだったんだ」「こうなんだね」と相手が言ったことを繰り返して受けとめる傾聴の姿勢を心がけることが大切です。

それから、「子育てはこうするべき」など自身の経験による「べき論」を押し付けないことも重要です。お母さんたちは、「シングルマザーは大変ね」「かわいそう」といった世間からの目にプレッシャーを感じている上に、元夫とのトラブルを抱えたままだったり、〈父親のいない子にさせてしまった〉と自分を責めたりしています。一人で苦しい中を頑張っているのに、「こうするべき」などと言われたら、精神が崩れてしまいます。それをしないだけでもお母さんたちは救われ、子供に優しく接することができるようになると思います。

――今後の夢や目標は

シングルズキッズを慈善団体ではなく、会社として運営しているのは、収益を確保しながら持続的に活動して、お母さんたちを支えていきたいという思いからです。会社は経営者の器以上には大きくはならないと聞いたことがあります。たくさんの子供たちを最高にハッピーにするためにも、まず、私自身が今まで以上にたくさんのことを勉強し、知識や見方を深めたいと考えています。

プロフィル

やまなか・まな 1986年、埼玉県生まれ。10代でギャル、キャバクラ勤務、引きこもりを経験し、20歳で不動産会社に就職。4年間勤務する中で、やりたいことに目覚め、2015年に起業。不動産仲介の経験を生かし、17年6月から世田谷区内で母子家庭を対象にした下宿事業「MANAHOUSE上用賀」を開始した。