いのちの落語家・樋口強氏 『がんでも働きたい』(佼成出版社)発刊
いのちの落語家・樋口強氏の著書『がんでも働きたい』(佼成出版社)がこのほど、発刊されました。
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日本では現在、毎年100万人が新たにがんの告知を受ける。そのうちの3割が働き盛りの就労世代だ。かつて大学で落語研究会に所属していた著者は、大手企業で管理職を務めていた43歳の時、3年後の生存率は5%、5年後の生存率は数字がないといわれる肺小細胞がんを発症。抗がん剤の影響で全身の感覚を失ったものの、懸命な治療により治癒した。
治癒の目安とされる術後5年が経った2001年から毎年、がん患者とその家族を対象にした「いのちの落語独演会」を催している。後遺症で抗がん剤治療に苦しんでいた時、落語のテープを聴き、心から笑えたことで痛みやつらさが緩和された経験を生かしたいと思ったからだ。笑いの力で、がんに苦しむ多くの人の力になってきた。
本書では、古典作品やがんをテーマにした落語を紙上で“上演”しながら、自らの闘病生活や社会復帰までの歩み、「いのちの落語独演会」の取り組みの様子を紹介。それまで当たり前に来ると思っていた未来が突然断たれる恐怖、闘病生活のつらさ、治療費の負担や収入の減少が家庭に与えることへの苦悩や葛藤を乗り越えた著者を含めたさまざまながん経験者の体験も記されている。本書には、再発や転移の不安を抱えながらも、人生を前向きに生きるがん経験者の姿を通じ、多くの人に自らのいのちを輝かせてほしいとの願いが詰まっている。
18年9月に開催された「第18回いのちの落語独演会」の高座や会場の様子が収録されたCD付き。
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『がんでも働きたい』
樋口強著
佼成出版社
1500円(税別)
同書について詳しくは、佼成出版社ウェブサイトをご覧ください