合同出版から『世界の難民をたすける30の方法』(国連UNHCR協会理事長・滝澤三郎編著)発刊

6850万人。世界の難民の数だ。シリア危機をはじめロヒンギャ問題、南スーダンの内戦などにより、過去最高に上った。今、彼らを救う手だてやセーフティーネットが国際社会に求められている。こうした中、欧州各国ではシリア危機以降、シリア難民を多数受け入れてきた。

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その要因として、本書では、受け入れ国の就労や教育の環境など難民支援体制が比較的整っていることを挙げる。同時に、国籍や人種にかかわらず、困っている人を助けるのは当然との「人道と博愛の精神」が欧州の社会に広く浸透しており、難民への一定の理解が市民の間にあったことが大きいと分析している。

一方、それに比べて、日本では、難民問題への関心がなかなか高まらない。難民発生の主な原因が外国の国内事情にあることや、日常、難民に出会う機会がほとんどないことから理解が進んでいないためだと指摘する。

本書は、国連UNHCR協会理事長の滝澤三郎氏が編著者を務め、日本の政策担当者や難民支援団体関係者、アフガニスタンやミャンマーなどから逃れてきた難民当事者など30人が、世界の難民の現状や、日本と海外の難民支援制度について執筆。複雑な難民問題を多角的な視点で分かりやすく解説した。さらに、難民支援を目的としたチャリティーマラソン、NGOやNPO団体が主催するカフェなどを取り上げ、日本で生活する難民の人々と交流したり、具体的に支援したりする方法も紹介されている。

「難民」という記号ではなく、同じ一人の人間として尊び、触れ合い、共に生きることを学べる一冊となっている。

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『世界の難民をたすける30の方法』
滝澤三郎編著
合同出版
A5判変型・144ページ
1480円(税別)