仏教タイムスが『道元禅師の周辺にて』を発刊

仏教タイムス社から、新刊『道元禅師の周辺にて』(大谷哲夫著)が発刊されました。

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著者は、曹洞宗を開いた道元禅師の説法録『永平広録』研究の第一人者。本書では、道元禅師が師事した先達に焦点を当て、開宗に至るまでにどのように「求道(ぐどう)」の精神を形成してきたかを考察するとともに、欧米における曹洞禅の可能性に迫る。

第1章では、「縁の深い人々の死から道元禅師の人生が急展開していると見て取れる」と記し、研究者の中でも意見の分かれる、晩年の栄西との「相見」(直接の対面)について論じた。さらに、栄西の高弟である明全和尚と共に宋へ渡った経緯などを詳述している。

第2章には、曹洞宗のヨーロッパ布教40周年に寄せた寄稿(2007年執筆)を収録。「自己の存在とは何か」という古来の命題を解き明かすカギとして、曹洞禅が欧州の人々にもたらす可能性に言及した。一方、第3章では、ハワイに伝わった日本仏教に触れながら、日米の文化的な隔たりに着目。言葉による説明が重視される米国の風土に対し、曹洞禅は本来精神的な要素を重んじるため、正しく伝わらず、形骸化する恐れがあるのではないかと、問題提起している。

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『道元禅師の周辺にて』
大谷哲夫著
仏教タイムス社
四六判・109ページ
1000円(税別)