TKWO――音楽とともにある人生♪ テナートロンボーン・今村岳志さん Vol.2
じゃんけんで負けたにもかかわらず、友達に譲ってもらったトロンボーン。花形といわれるトランペットに挑戦したものの、音が出せなかったことで“改心”した今村岳志さんは、トロンボーン奏者への道を歩み始めた。音楽大学(音大)への進学やプロ奏者を意識したきっかけ、TKWOとの出合いとは。
職人志望から芸術家へ
――高校は音楽に関する学科に進んだのですか
普通科の高校に通いました。もともとプラモデルを作ったり、絵を描いたりと、ものを作って表現するのが好きだったので、当時は楽器を作る職人になりたいと考えていたんです。そこで、私が住んでいた地区に二つあった普通科の高校のうち、トロンボーンや音楽事情に詳しい音楽の先生がいる学校に進学しました。宮崎大学の音楽科を卒業された先生で、専門的な知識や演奏技術に加え、プロの楽団の映像や音源、オーケストラやアンサンブルの楽譜を提供してくれたり、演奏会に連れて行ってくれたりと、とにかくたくさんの情報を与えてくれました。
――楽器を作る職人から奏者へと意識が向いたのは?
高校生の時、私の地元・宮崎でプロの楽団の公演に行き、衝撃を受けたのがきっかけです。演奏会では、「スター・ウォーズ」の映画音楽などを手掛けているアメリカの大作曲家、ジョン・ウィリアムズの「オリンピック・ファンファーレ」が演奏されたのですが、とにかく迫力がすごくて、格好いいんですよ! それからはもう、ジョン・ウィリアムズにはまって、とにかくCDをよく聴き、ファンクラブにも入りました。このあたりから、音大への進学を意識するようになりました。僕にとってジョン・ウィリアムズはまさに、演奏家の道を志すターニングポイントになった人です。
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