立正佼成会 庭野日鑛会長 8月の法話から
8月15日に大聖堂で行われた式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋しました。(文責在編集部)
終戦記念日は家族と一緒に祈る
きょう8月15日の終戦記念日は、教会を閉めて、教会長さんも含めて皆さんがご自宅で家族と一緒に祈り、語り合う日です。教会長さん方も、自宅でというのは今まであまり経験のないことだと思います。こうしたことを通して、終戦記念日を、私たちはしっかりと受けとめて、これからの精進に結びつけていきたいものです。
皆で「人類永遠の平和の実現」を
終戦の年の8月15日、玉音放送がありました。私は、菅沼(現・新潟県十日町市菅沼)に疎開をしていました。小学校2年生で、その時にどこにいたか、記憶がありませんでしたが、いとこから、生徒はみんな学校に集められたと聞かされましたから、学校で玉音放送、いわゆる終戦詔勅(しょうちょく)を聞いたはずです。
その中に、昭和天皇さまの「萬世(ばんせい)ノ爲(ため)ニ太平ヲ開カムト欲ス」というお言葉がありました。この一言で終戦を迎えたと言ってもいいくらい、とても大切な言葉であると思います。「人類永遠の平和の実現を図ろう」という意味合いです。素晴らしいお言葉であり、世界の全ての人たちが望む言葉でした。
そして終戦となり、今日(こんにち)、私たちは平和の国、日本で共々に生活させて頂いています。今年は特に、コロナ禍の中でオリンピックも開かれました。こうした中で、日本はどういう国であったか、どういうことを願って今日まで来ているのか――そのことをお互いさまにしっかりと受けとめ、実践していかなければならないと思うのです。
「大いなる平和、調和」を目指そう
日本はかつて、「大和(やまと)」という国名でした。大きな和(わ)と書いて「やまと」と読んでいました。人によっては、いろいろな思いが湧いてくる言葉かもしれませんが、私たちが正しく理解して、受け取って、その精神を後世に伝えていかなければならない大事な言葉です。
古代日本の文化の偉大な功労者であった聖徳太子は、「十七条憲法」を記され、「和を以(もっ)て貴(とうと)しと為(な)す」と宣言されました。その「和」を用いた大和(やまと、だいわ)とは、英語に直せば「Great Peace」「Great Harmony」、「大いなる平和」「大いなる調和」という意味です。その精神は、歴史的に終始一貫する日本の国家的、民族的な理想であったと言うことができます。日本の古今(ここん)を通ずる本願が、「大和」という国名に込められていることを、お互いにしっかり理解し、認識することが大切です。
日本の国には、二千年を超える歴史があります。今年は皇紀2681年です。そういう長い歴史の中で、和の精神を国の本願として保ってきました。もちろん、戦争に向かってしまったこともありますが、本来的には、そうした「和」というものを大事にしてきた国です。そのことを正しく理解し、受け取って、後世に伝えていくことが大事です。
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