新宗連 令和7年度全国総会 光祥次代会長が出席(動画あり)

深田名誉会長のあいさつで理事会が開会した

新日本宗教団体連合会(新宗連)の令和7年度「全国総会」が10月8、9の両日、大阪市内のホテルで開催された。理事、評議員、各総支部の会長、オブザーバーら合わせて62人が参加(オンライン参加含む)。立正佼成会から庭野光祥次代会長(新宗連常務理事)、熊野隆規理事長(同理事)、國富敬二徳島教会長(同監事)らが出席した。

当日の様子(クリックして動画再生)

8日に行われた「第33期第6回理事会」は深田充啓新宗連名誉会長(円応教教主)のあいさつで開会。この中で深田名誉会長は、歴代理事長のもと、全ての戦争犠牲者への慰霊と絶対非戦の祈りを捧げてきた新宗連の歴史を振り返った。その上で、戦禍の記憶を風化させないためにも、先達の意志を継承し、活動していくことが新宗連の使命であると述べた。

続く審議では、石倉寿一理事長(大慧會教団会長)が議長を務め、令和8年度の事業大綱案、行事予定などが議論され、全ての議案が承認された。事業大綱案には、「すべてのいのちを尊ぶ世界」の実現に向け、戦争や自然災害の犠牲者への祈り、国際情勢や地球環境危機への対応のほか、現代社会で生きづらさを抱える人々との出会いを通じ、多様な価値観や苦悩の現実に触れ、理解を深めることに注力するといった宗教者としての役割を追求する内容が盛り込まれた。また、世界の諸問題の平和的な解決、絶対非戦の精神に基づく世界の恒久平和の実現に向け、加盟教団で行われている「祈りのことば」の読み上げを今後も継続することを決定した。

この後、第37回教団人セミナーが開かれ、『多様な性から多様性を考える』をテーマに講演が行われた。登壇したのは、LGBTQ(性的少数者の総称)への理解促進に向けた教育や研修、当事者のキャリア支援、福祉や行政施策のサポートなどを行う認定NPO法人ReBit(リビット)の藥師実芳代表理事。女性として生まれ、男性を自認する藥師氏は、人口に占めるLGBTQの割合が約3~10%である一方、ReBitの調査により、職場などで自らのセクシュアリティーを隠して生活する当事者が96%に上ることが明らかになったと紹介した。自身の経験を交えながら、当事者が職場や学校で抱えがちな人間関係やハラスメントといった職場での困りごとに焦点を当て、組織側が留意すべき点や具体的な対応策を伝えた。この中で、宗教団体による事例紹介として、本会が2022年4月、職員を対象とした「同性パートナーシップ規程」を定めたことを説明。佐原透修総務部次長(渉外グループ)が登壇し、制度の導入に至る経緯、同性パートナーやその子どもを「配偶者や家族」と見なし、婚姻関係と同等の住居手当を支給するといった福利厚生の内容を説明した。

Rebitの藥師代表理事

さらに藥師氏は、LGBTQ当事者からカミングアウトを受けた際、相手が安心しやすい対応の一端を紹介。カミングアウトしてくれたことに謝意を表すとともに、その事実を既に知っている人、今後知ってもらいたいと思う人の有無を確認する、自分にできることを質問する、分からないことは「聞いてもいい?」「教えてもらってもいい?」などと素直に伝え、相手を理解しようとする姿勢を示すことが大切と述べた。また、そうした場面を想定することで、無意識に当事者を傷つけるような言動を予防することにつながると語った。

講演後の質疑応答では、教団の儀礼儀式における男女の役割分担、心と体の性の不一致に悩む会員信徒との触れ合いといった質問が出席者から投げかけられ、活発に意見が交わされた。