パレスチナ自治区ガザ地区での人道支援に本会一食平和基金から緊急拠出
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラーム過激派組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が激化し、多数の死傷者が出ている。この事態に対し、立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=熊野隆規教務部部長)はこのほど、人道支援として計1500万円の緊急拠出を決定した。
支援金は、ガザ地区で支援活動を行う国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA、500万円)、国連世界食糧計画(国連WFP、500万円)、特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC、300万円)、特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン(CCP、200万円)の4団体に寄託される。
ハマスは10月7日、イスラエルに向け大量のロケット弾を発射した。この攻撃の報復として、イスラエル軍がガザ地区を空爆。以来、戦闘は日に日に激しさを増し、多くの犠牲者が出ている。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、死者はこれまでに双方で計1万2000人を超えた(11月10日現在)。また、イスラエル軍は空爆に加えて地上作戦も開始。ガザ地区への攻撃を強めるとともに、ガザ地区を完全封鎖したことで、水や食料、医療品などの救援物資が不足し、人道危機が深刻化している。
本会は1999年から20年以上にわたり、「親子で取り組むゆめポッケ」の活動を通して、ガザ地区の子どもたちを支援。23万6197個のゆめポッケを届けてきた。また、今年4月からは、一食平和基金とJVCによる合同事業として、ガザ地区の子どもたちの栄養改善事業が始まったばかりだった。
ガザ地区でのゆめポッケ配付のパートナー団体であり、現地で救援活動を行うUNRWAは、同機関が運営する学校などで避難民を受け入れ、食料や物資の提供、医療支援に当たっている。
国連WFPは武力衝突の発生直後から、ガザ地区にあるUNRWAのシェルターに避難している約10万人に、焼きたてのパンや缶詰などの食料配布を実施。ガザ地区の境界に食料を配備し、人道回廊が確保され次第、支援物資を届けられるように準備している。
また、JVCはイスラエルのエルサレムに駐在するスタッフを中心に、被害を受けた人々への食料提供や医療支援といった人道支援体制を整えている。
一方、CCPは10月22日から、ガザ地区で緊急支援活動を開始。現地の団体と協力して、障がい者世帯への支援物資の配布、避難者への現金の給付に取り組んでいる。
なお、本会は10月21日、『イスラエル‐ハマスの紛争に関するメッセージ』を同ウェブサイトで公表。紛争で犠牲となった全ての人に心からの祈りを捧げるとともに、「一日も早く暴力の連鎖が止むこと、そして人々の心と暮らしに平穏が訪れることを、心から願っています」と表明した。