南九州支教区「六花の会」設立総会 法華経から経営の極意を
立正佼成会南九州支教区による「六花(りっか)の会」の設立総会が6月18日、オンラインで開催された。「六花の会」は、仏教精神を生かした経営を目指し、2018年に発足した本会会員(有志)による全国的なネットワーク。同支教区の経営者、個人事業主ら31人が参加した。
当日は、綾部高士宮崎教会長のあいさつ、同会発足の経緯や活動内容を紹介する映像の配信に続き、所属教会ごとに自己紹介の時間が設けられた。この後、果物のギフト販売などを営む宮崎教会出身の男性会員(57)=市川教会=が、自らの事業と六花の会での学びについて体験を発表した。
この中で男性会員は、半導体メーカーの営業マンとして東京で働く中、東日本大震災の復興ボランティアへの参加を機に、「今を生きる」ことの大切さを痛感したと述懐。心にとどめていた故郷・宮崎への思いを強くし、農業関連資材を販売する県内の企業に転職した体験を述べた。その後、取引先の農家からかけられた「そんな資材を売るより、うちのイチゴ売らんね(売ってちょうだいよ)」という言葉が心に刻まれ、〈自らの営業力を生かして、地元農家の力になる〉と決意。農園への転職を経て、果物の販売事業者として東京で独立したと語った。
また、起業後、当時所属していた杉並教会による経営者の勉強会「福盛塾」で、庭野日敬開祖と京セラの稲盛和夫名誉会長から薫陶を受けて全国で企業再建に携わった故福永正三氏(滋賀教会会員)と出会ったことを詳述。福永氏に相談するたび、一つ一つの仕事を「ど真剣にやっとんのかいな」と一喝され、内省を繰り返すうち、「仕事は人に頼らず、自身の力でやり遂げるもの」との思い込みを捨て、周囲を頼り、縁を大切にできるようになれた喜びを語った。実践を続けるうち、不思議と人との出会いが仕事につながり、業績も上がっていったと話した。
現在は、六花の会が編纂(へんさん)した書籍『庭野日敬 経営者心得帖』を毎朝の読経供養後に開き、「信仰にはかならず功徳がある」という一節を読んで、独立当初の気持ちを思い起こし、心を整えて仕事に臨んでいると伝えた。
最後に、あいさつを述べた猿樂年央南九州支教区長は、「経営」の二文字は「経(きょう)を営(いとな)む」とも読めると説明。「経営の極意が法華経の中にある」と述べ、南九州支教区「六花の会」に集う経営者サンガ(教えの仲間)が共に学び、「極意」をつかむ場になるよう期待を寄せた。