「青年の日」通年の取り組み 青年部員一人ひとりが日々の実践を見つめ、社会貢献の意識を高め合う

「バケツ稲」作りを各家庭で行った小倉教会。教会道場の敷地内でも同様に稲を育て、10月に収穫した

立正佼成会の全国の青年部員が地域社会で菩薩行を実践する「青年の日」が、今年も通年で行われている。青年ネットワークグループでは、2020年から、一人ひとりの小さな行動を積み重ねて世界平和の達成に努めたいとの願いを込め、『大河の一滴になろう。』を「青年の日」のメーンテーマに設定。平和で持続可能な世界の実現に向けて、一人ひとりが自身の日常的な実践を見つめるとともに、青年部員たちが社会貢献の意識を高め合えるよう、5月の第3日曜日を啓発の日として年間を通じた取り組みを推奨している。これを受け、各教会では青年が主体となって、街頭募金やチャリティーバザー、オンラインを活用した「持続可能な開発目標」(SDGs)の学習会、「一食(いちじき)を捧げる運動」の取り組みなどを実施してきた。今回は、仙台、和歌山、小倉、熊本各教会の「青年の日」を紹介する。

環境美化で地域に貢献 教会道場周辺の清掃活動行う

仙台教会青年部は10月2日、SDGsのゴールの一つである「住み続けられるまちづくりを」の達成に向けた取り組みとして、教会周辺の清掃活動を行った。青年部員45人が参加した。

今回の取り組みは、環境破壊や紛争、貧困など世界の諸問題について日常的に考えて、さまざまな人とつながり、自他のいのちに感謝できる青年になることが目的。

母親と共に参加し、清掃に励む少年部員。足元に目を向け、さまざまなごみを拾い上げた

当日、参加者たちは6班に分かれて、ごみ袋と軍手を持ち、教会道場を出発。1時間ほどかけて教会周辺を歩きながら、道路や公園内に落ちているたばこの吸い殻や食品を包装するプラスチック、空き缶、ペットボトルなどのごみを拾った。

少年部員(11)は、「道に落ちているごみでは、たばこの吸い殻が一番多く、環境破壊をしている大人がたくさんいるんだと実感しました。街の印象も悪くなりますし、私はきちんとごみをごみ箱に捨てようと改めて思いました」と決意を語った。

青年男子部長(27)は、「教会がここに拠点を構えることができるのは、地元の方々が受け入れてくださっているからです。その地域のために何か貢献させて頂きたいと考えて、清掃活動を行いました。地球環境への警鐘が鳴らされて久しいにもかかわらず、いまだに道端にごみが捨てられています。私たち青年から実践することで、世の中の流れを変える“一滴”になりたい」と語った。

平和へ、今できることを 高野山で「一食ユニセフ募金」実施

募金に立った青年部員らは、観光客や市民から途切れることなく献金が寄せられることに喜びながら、感謝を込めて折り紙のパンダを手渡した

和歌山教会は10月23日、日頃から親交が深い高野山真言宗総本山金剛峯寺(和歌山・高野町)の協力を得て、同寺奥之院参道で観光客らに「一食ユニセフ募金」への協力を呼びかけた。当日は青年部のメンバーを中心に24人が参加。感染防止のため、マスクと手袋を着用し、募金に協力した市民には、同教会の会員が作った折り紙のパンダを手渡した。

同教会では毎年、「一食ユニセフ募金」に取り組んできたが、コロナ禍の影響で一昨年から中断を余儀なくされていた。今年の「青年の日」を前に、青年部のリーダーは活動の意義を改めてかみしめた。話し合いを行う中で、ロシアによるウクライナ侵攻に関心を向け、「平和のために自分たちができることをしたい」との思いを確認した。

そこで、5月の「青年の日」には、戦争や難民といった問題をテーマにオンライン平和学習会を実施した。この中で、自分たちができる具体的な活動として「一食ユニセフ募金」「親子で取り組むゆめポッケ」などを紹介。6月からの「ゆめポッケ」キャンペーン期間中には、少年部員のいる家族に呼びかけ、ゆめポッケの作製や回収を行った。

青少年育成担当者(47)は「支援は、継続することが大切だと感じています。今回、リーダー一人ひとりが『自分にできることは何か』を考え、中断していた活動を再開することができました。募金に協力してくださった皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。

募金当日、青年部員らは快晴の中、観光客や市民でにぎわう参道に立ち、協力を呼びかけた。参加した子供たちからは「折り紙のパンダが全部なくなるくらい、たくさんの人に協力してもらえてうれしかった」などの声が寄せられた。

なお、同日、JR和歌山駅前でも壮年部、一般の会員ら19人が「一食ユニセフ募金」を実施。これに先立ち、16日には包括地域内のスーパーマーケットでも行われ、市民から寄せられた浄財は、総額13万5055円に上った。

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