争いのない平和な世の中に 「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で庭野会長が法話
立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が3月15日、東京・杉並区の大聖堂で挙行され、庭野日鑛会長が法話を述べた。会員は参集せず、式典の様子はオンラインでライブ配信された。
式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた後、田代耕一朝霞教会長が体験説法に立った。田代教会長は青年部員の頃、教会の青年塾に毎月参加し、講師の教会長から、庭野日敬開祖や社会で活躍する人たちの著書などを教材に法華経観を学んだことを述懐。その後、自身の実践として、職場で「一食(いちじき)を捧げる運動」の精神を説明し協力を呼びかけたところ、他の信仰を持つ社長をはじめ多くの職員が協力してくれ、全ての人に仏性があると感じられた体験を語った。
本部に入職後は、布教現場の教会長から、法座主の姿勢として会員から出される悩みを困ったことと見ない、また「相手から学ぶ」といった点を教えられたと発表。現在は会員と共に法座を通して、日常生活で起きる現象を教えに照らし、仏のものの見方を学んでいると語り、温かなサンガ(教えの仲間)の輪を広げていきたいと誓願した。
法話に立った庭野会長は、新聞のコラムと写真を紹介する形で、太陽と地球の関係について説明。太陽が常にエネルギーを発し、その太陽と地球が程よい距離にあるからこそ、地球上に大気と水が存在しており、そのため地球の気温も乱高下することなく、一定程度に保たれていると述べた。その上で、「私たちは、太陽のおかげさま、また空気もあり、水もある地球のおかげさまで生かされている」と説いた。
また、「おかげさま よろこびもかなしみもうまれたことも死ぬこともみんなみんなおかげさま」という詩を紹介。現在のウクライナ情勢も踏まえて、「私たちはおかげさまの中で生かされている者同士であり、そうした人間が、お互いに殺し合うことは本当に愚かなこと」と強調。「争いのない平和な世の中になるように、仏さまの教えをしっかりと守らせて頂き、また、仏さまの教えが一人でも多くの方々に届くように、お互いさまに精進をさせて頂きたい」と述べた。