釈尊の遺徳偲び「涅槃会」 庭野会長が法話 久遠の法を身につけ、菩薩行の実践促す (動画あり)
釈尊の遺徳を偲(しの)び、入滅の意義をかみしめる「涅槃会(ねはんえ)」が2月15日、立正佼成会の大聖堂(東京・杉並区)で行われた。式典の様子はインターネットで会員にライブ配信された。法話に立った庭野日鑛会長は、釈尊が説いた久遠の法を自分のものとし、一日一日を大事にしながら世のため人のために生きる大切さを説示した。
式典では、映像作品『釈尊涅槃』の上映に続き、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、庭野会長の啓白文が奏上された。
この後、清水宏一郎時務部主席が体験説法。清水主席は、生き方を模索していた青年期に庭野日敬開祖の法話や著書から強く感化を受けたことをきっかけに、教会の青年部活動に参加するようになった経緯を述懐した。
また、酒癖の悪い父を尊敬できずにいたが、『父母恩重経』の「人のこの世に生まるるは、宿業を因として、父母を縁とせり」という一節に出合い、人間は自分自身の過去の業を原因として生まれ、両親はその縁になってくれるのだと受けとめられ、父への見方が変わったことを吐露。父が幼少期からつらい境遇の中で過ごしてきたことも知り、父に寄り添えるようになった体験を語った。
さらに、人の救いや平和のために尽力する庭野開祖の役に立ちたいと、仕事を辞めて本部に入職したことを発表。自分は願ってこの世に生まれてきたと信じ、具(そな)わった力を自覚して人の善き縁になることを誓った。
法話に立った庭野会長は、「涅槃」とはサンスクリット語のニルバーナの音写で、元来は、迷いのなくなった境地を表すと説明。「涅槃会を迎えて、私たちはお互いに今、生きているもの同士、仏さまの教えを頂いて人生をどう生きていくかが大きな問題」と述べた。
その上で、釈尊が説いた教えは久遠の法、ダルマであり、永遠に存在するものと教示。その柱となるのは、因縁生起(縁起)、諸行無常、色即是空・空即是色という教えであり、世の中の現象は全てその教えの通りに展開していると説いた。
さらに、そうした永遠の法をしっかりと身につけ、環境問題などを踏まえて、人類が長く生きていくためにはどうしたらいいかと、未来を見据えて考え、今を生きることが大事と強調。江戸時代の僧侶・正受老人の「一日(ひとひ)暮らし」という言葉を紹介しながら、一日一日を真剣に生き、充実した人生を送りながら、世のため人のために生きる大切さを説示した。