釈尊の遺徳偲び「涅槃会」 庭野会長が法話 久遠の法を身につけ、菩薩行の実践促す (動画あり)

啓白文

本日、釈尊涅槃会にあたり、仏弟子日鑛、本仏釈尊の御前(みまえ)において、謹(つつし)んで申し上げます。

私たちが帰依しておりますお釈迦さまは、二千数百年の悠久(ゆうきゅう)の昔、難行苦行の末に成道(じょうどう)なされてから人々を真理に目覚めさせるために、四十有余年(しじゅうゆうよねん)を費(つい)やし布教伝道に歩まれました。そして、日々(ひび)お釈迦さまのお説法を聞き続けてきたお弟子方が、一切衆生(いっさいしゅじょう)を救う仏の本願(ほんがん)まで高まるようにと、ついに霊鷲山(りょうじゅせん)で法華経を説かれ、すべての人々は成仏ができること、本仏(真理・法)は永遠の存在であることを明かされたのであります。

法華経を説き終わられ、齢(よわい)八十を超えたお釈迦さまは、ご自身が亡くなられた後(のち)の修行の心構えとして、自灯明(じとうみょう)、法灯明(ほうとうみょう)の教えを説かれ、最後に「すべての現象は移(うつ)ろい行くのです。怠(おこた)らず努力しなさい」というお言葉を残され、二月十五日の夜半(やはん)、沙羅双樹(さらそうじゅ)の下(もと)で涅槃に入られたのでした。

法華経如来寿量品(ほけきょうにょらいじゅりょうほん)には
「衆生(しゅじょう)を度(ど)せんが為(ため)の故(ゆえ)に方便(ほうべん)して涅槃(ねはん)を現(げん)ず。而(しか)も実(じつ)には滅度(めつど)せず、常(つね)に此(ここ)に住(じゅう)して法を説く」とあります。

それは、お釈迦さまが私たちを導くための般涅槃(はつねはん)であり、常に法をお説きくださっていることを意味します。

開祖さまはお釈迦さまのお慈悲を頂き、説(せつ)のごとく、ご入寂(にゅうじゃく)に至る人生の修行精進の道を歩まれました。私たちも開祖さまに続き、お釈迦さまの般涅槃(はつねはん)の真(まこと)の意味を自らの心に刻み、布教伝道させて頂きます。

お慈悲深きお釈迦さまの般涅槃(はつねはん)。私たちは地涌(じゆ)の菩薩の自覚に立って、お釈迦さま・開祖さまのご本願を受け継いで、菩薩行に邁進(まいしん)することを決定(けつじょう)申し上げます。

 一心(いっしん)に仰ぎ見たてまつる久遠実成の御本尊
並びに十方世界に遍満(へんまん)する、
諸仏、諸菩薩、諸天善神
私たちを法華経にお導きくださいました、
開祖さま、脇祖さま
何とぞ、私たちの菩薩行をご照覧(しょうらん)くださいますように、世界の平和が招来(しょうらい)されますように、人間世界のみならず、一切の生きとし生けるものが平安でありますように、慈悲の御手(みて)を差し伸べ、ご守護くださいますようお願い申し上げます。
南無妙法蓮華経
令和四年二月十五日 
立正佼成会
会長 庭野 日鑛
謹んで申し上げます