今、できることを――コロナ禍における教会のチャレンジ(3)最終回

動画やメッセージを作成し、教会独自のLINE公式アカウントを通じて、教会や教団のさまざまな情報を発信する。写真は動画の撮影風景(大分教会提供)

新型コロナウイルスの感染拡大により、以前のように対面や集合での活動ができない中で、立正佼成会の各教会では、デジタルコンテンツや通信機器を活用したメッセージの発信などを通して会員同士のつながりを深め、布教活動を展開している。コロナ禍の中にあって、地域や教会の実情を踏まえて工夫を凝らし、精進と布教に尽力する教会の取り組みを『今、できることを――コロナ禍における教会のチャレンジ』と題して紹介する。最終回となる今回は大分教会。

大分教会 どんな時もみんなで精進を 環境の変化に柔軟な対応を心がけ、SNSでサンガと絆を紡ぐ

新型コロナウイルス感染症が初めて流行した一昨年2月、本園雅一教会長が本部から教会道場閉鎖の連絡を受けたのは、夏の青年部平和学習会の下見で沖縄・名護市辺野古を訪れていた時だ。すぐに会員に向けたメッセージ動画を撮影し、教会役員に送信した。

「世の中はコロナ一色で恐怖や不安が蔓延(まんえん)していましたから、こういう時こそ会員の皆さんに安心をお届けしたいという思いがありました」

その後、「当たり前の日常」が崩れる中、本園教会長の心に浮かんだのは、釈尊が説いた「無常」の真理だった。「環境が変化している時は、こちらも変化に合わせて柔軟に対応するのが真理・法の道に沿っていくこと」「今が、諸行無常、諸法無我という二大真理をしっかりとつかむチャンス」と自身に言い聞かせ、教会幹部と共に対応していくことを決めた。そうして始まったのが、全世帯に機関誌「佼成」を送る郵送システムの構築と、SNSを駆使してサンガ(教えの仲間)のつながりを維持する教会独自のLINE(ライン)公式アカウントの活用だ。

公式アカウントの活用は元々、4月に予定されていた「教会発足60周年記念式典」への参加を呼びかけるためにコロナ禍以前から考えられていたものだった。同教会は包括地域が広範なため、これを活用すれば登録した会員にメッセージを一斉送信できる。感染を防ぐために対面での触れ合いができない状況の中で、サンガの絆を紡ぐため新たな挑戦に踏み出した。

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