全国教会長人権学習会 当事者と信頼を育み、支援の「つなぎ役」に

講演した豊中市社会福祉協議会の勝部福祉推進室長(「Zoom」の画面)

「全国教会長人権学習会」が10月2日、オンラインで開催された。立正佼成会の人権啓発委員会(委員長=澤田晃成総務部部長)によるもので、同委員会は、「仏教精神を基盤とし、部落差別を中心とする差別の解消をめざし、人権意識の高揚をはかる」ため、毎年、教会長、本部職員を対象に研修を実施している。

当日は、『ひとりぽっちをつくらない――孤立へのアプローチ』と題し、大阪・豊中市社会福祉協議会の勝部麗子福祉推進室長が講演した。

勝部氏は、地域福祉の専門職「コミュニティソーシャルワーカー」の第一人者として知られる。ひきこもり、子供の貧困、家の中に大量に物をため込む「ごみ屋敷」といった生活上の問題を抱える人々の相談に乗り、地域の住民ボランティアやNPO法人、行政の支援につなげて解決に導いてきた。講演では、実際の活動を紹介しながら、ごみ屋敷や孤独、ひきこもりなどで「本当に困っている人は、自分からSOSを出せない」とその特徴を説明した。そのため、同協議会ではスタッフが自ら地域に足を運び、年間4000軒以上の家庭訪問を通して、地域で支援を必要とする人の状況把握に努めていると報告。支援する際は当事者との信頼関係を育むことを重視し、問題解決に向けて取り組んでいると語った。

福祉の現場では、問題を抱えた人を見つける「発見力」と、専門的な知識や技能による「解決力」が必要と強調し、市民や住民には、困難を抱えていそうな人を目にしたら、見過ごさず、連絡するよう伝えていると話した。

さらに、問題を抱える人の中には「家族に相談できない」「近所の人には知られたくない」という理由で、声を上げられずにいる人も多いと指摘。一方、本人が信頼を寄せる人には悩みを打ち明けることから、日ごろから人に寄り添い、相手の思いに耳を傾け、勇気づけている宗教者は、「困っている人と行政の支援の『つなぎ役』になり得る」と述べ、地域社会でその役割を担ってほしいと要望した。