たった一人のあなたを救う――人権学習会で日本駆け込み寺の玄秀盛氏が講演
立正佼成会の教会長を対象にした「人権学習会」が3月23日午前、法輪閣大ホール(東京・杉並区)で行われた。公益社団法人「日本駆け込み寺」代表の玄秀盛氏が『たった一人のあなたを救う』と題して講演した。
玄氏は、2002年から東京・新宿区歌舞伎町で、家庭内暴力(DV)や金銭トラブル、ストーカー、いじめなどに悩む人々の相談に乗ってきた。当日は、「日本駆け込み寺」を始めた経緯や願い、現在の取り組みを話した。
この中で、DV被害者の保護に加え、加害者とも面談を実施してきたことに言及した。加害者となる夫の中には犯罪歴がある人も少なくないとし、働きたくても定職に就けず、物事がうまくいかないいら立ちから、家族に暴力を振るってしまう傾向にあると解説。被害者だけでなく、こうした加害者にも手を差し伸べていかないと問題は解決しないと考え、一般社団法人「再チャレンジ支援機構」を設立し、出所者の支援事業にも取り組んでいると紹介した。
また、相談を受ける側の姿勢として傾聴の大切さを指摘。相談者の悩みとともに、今後どのように人生を歩みたいかという相手の要望にも耳を傾けてじっくり聴くことを強調した。さらに、寄せられる相談には、いくつもの問題が重なっている場合が多く、支える側もその複雑さに躊躇(ちゅうちょ)しがちだが、「子供が転んだら起こしてあげるのと同じ感覚」で、問題を一つ一つ整理し、相手がステップを踏めるようサポートする重要性を訴えた。
日本駆け込み寺ウェブサイト
http://nippon-kakekomidera.jp/