5月は「一食啓発月間」 世界平和を願い、一人ひとりが行動

「一食(いちじき)を捧げる運動」(一食運動)のさらなる推進を目指す「一食啓発月間」が、5月1日から全国で実施される。新型コロナウイルスの感染防止のため、今年も個人の取り組みや「一食運動」に関するオンライン学習会などに重点が置かれる。

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1975年にスタートした「一食を捧げる運動」(当時は「節食運動」)は、立正佼成会会員が月に数回、自ら食事を抜き、その食費分を献金して、世界の貧困削減や教育支援などに役立て、世界平和の実現に取り組むもの。「私たちは大いなる一つのいのちに生かされた兄弟姉妹である」という仏教の世界観に基づく「同悲・祈り・布施」の三つの精神を大切にしている(メモ参照)。

これまでに会員の実践によって寄せられた浄財は総額150億円に上る。本会一食平和基金を通じて海外への支援のみならず、国内で発生した大規模な自然災害の緊急支援や復興活動にも活用されている。

昨年は、世界的に感染拡大が続く新型コロナウイルスの被害への緊急対策にも浄財が活用された。写真はUNHCRによるバングラデシュでの医療従事者支援 ©UNHCR/Louise Donovan

2008年からは、5月を「一食啓発月間」と定め、運動の推進に努めている。例年、各教会では大型連休や「青年の日」などを利用して、「一食運動」についての学習会が開かれるほか、広く市民に運動への参加を呼びかけながら街頭での「一食ユニセフ募金」などが行われてきた。

今年は昨年同様、新型コロナウイルス感染予防のため、集っての組織的な活動は控えるものの、各会員が毎月に行われている1日と15日の「一食運動」に取り組むほか、それぞれが工夫を凝らして身近な人に運動の意義を伝え、実践の輪を広げていく。さらに同運動の一層の広がりを願い、ウェブサイトやLINE公式アカウント「一食ニュース♡」を活用した情報発信、啓発用の動画を視聴するオンライン学習会などが行われる。

「一食を捧げる運動」ウェブサイト https://ichijiki.org/

「一食を捧げる運動」三つの精神

同悲 一食を抜くことによる空腹感を通して、貧困や紛争下の人々の苦しみを自分の痛みとします。

祈り 苦境にいる人々の平和を祈ります。また、自分自身のいのちを見つめ、平和な社会に少しでも役立ちたいという願いを高めます。

布施 節食した分を財的な支援として、困難な状況下にある人々の応援に役立てます。また、貪(むさぼ)りの心を振り返り、少欲知足の心を深めます。